【4月17日 AFP】米国は16日、外国の偽情報を追跡する主要な政府部門を廃止した。「言論の自由」を守る措置だとしている。

以前はグローバル・エンゲージメント・センター(GEC)として知られていた国務省の対外国情報操作・干渉対策部門の閉鎖は、プロパガンダの専門家たちがロシアや中国といった米国の敵対国による偽情報キャンペーンの危険性について警鐘を鳴らしている中で行われた。

共和党はGECが保守派の見解を検閲していると長年非難しており、ドナルド・トランプ大統領が就任する数週間前の昨年12月、米議会はGECの資金を延長しなかった。

マルコ・ルビオ国務長官は16日の声明で、この部門の閉鎖を発表し、「米国人が言論の自由を行使するための自由を保護し守る」ことが政府関係者の責任であると述べた。

ルビオ氏は続けて「この部門は前政権下で年間5000万ドル(約71億円)以上の税金を投入し、数百万ドルを費やして本来奉仕すべき米国民の声を積極的に封じ込め、検閲してきた」「それはきょうで終わりだ」と述べた。

米メディアによると、国務省は米政府の外交活動を前例のない規模で縮小し、世界中の事業や大使館を閉鎖して、予算を約50%削減することを提案するとみられている。そうした中で今回の閉鎖が発表された。

2016年に設置されたGECは、共和党議員から長年にわたり米国民の検閲と監視を行っていると批判されてきた。その閉鎖により国務省は8年以上ぶりに、米国の敵対国による偽情報を追跡・取り締まるための専門部署を失うことになる。

GECはトランプ大統領の顧問で億万長者のイーロン・マスク氏からも批判を浴びていた。同氏は2023年、GECを「米国政府による検閲とメディア操作における最悪の犯罪者」であり、「われわれの民主主義に対する脅威」だと非難した。(c)AFP