【4月16日 Peopleʼs Daily】春節(旧正月、Lunar New Year)が近づくと、無形文化遺産の「正月市」も中国全土で盛況となる。「第8回内モンゴル無形文化遺産正月市」では、無形文化遺産の継承者たちがその秀でた技を披露し、刺繍、切り絵、ランタンなど、様々な無形文化遺産の工芸品が展示され、来場者は「伝統工芸ワークショップ」に参加ができ、無形文化遺産の魅力をその指先で実際に感じることができた。無形文化遺産の旺盛な生命力は、時代に適応し、日常生活に溶け込んでいる。

 無形文化遺産に関わる要素はオンラインでもオフラインでもどこででも見ることが出来るが、カギとなるいくつかの重要な変化が、人びとの無形文化遺産の保護に対する総括と考察を促すことになるかもしれない。

 これまでに、チャン族の新年の祭「羌年(Qiangnian)」、リー族の伝統的な紡績、染色、織物、刺繍の技術、中国木造アーチ橋の伝統的建造技術などが国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の審査を経て、「緊急に保護が必要な無形文化遺産リスト」から「人類の無形文化遺産の代表作リスト」に移行した。

 これは、中国の無形文化遺産の保護と発展を一層強化し、存続させる力を継続的に増強し、絶滅の危機を遠ざけたことを意味する。

 そしてこれは、ユネスコ「無形文化遺産保護条約」の枠組みの下で移行手続きが正式に実施された初めてのケースであり、国際社会が中国の無形文化遺産保護活動の有効性を認めたことを反映している。

 中国はユネスコ「無形文化遺産一覧リスト」と「(最良保護実践事例の)登録簿」を合わせて合計44件の無形文化遺産を登録し、これは世界最多である。

 無形文化遺産保護に関する法律が施行され、31の省(自治区、直轄市)が無形文化遺産保護に関する規定を制定し、無形文化遺産保護に関する法制度がますます充実している。

 中国では全国、省、市、県のレベルで9万人以上が無形文化遺産の継承者として認定され、各レベルの無形文化遺産の代表的な項目は10万件を超えている。無形文化遺産の保護と継承の体制はますます充実してきている。

 中国が「無形文化遺産保護条約」に加盟してから20年以上が経過し、無形文化遺産に新たな生命を吹き込むという約束を果たしてきた。また、他国が実施する保護業務に中国の知恵と解決策を継続的に提供してきた。

 かけがえのない無形文化遺産は、適切な方法で保護することができる。無形文化遺産は、深い歴史と文化の蘊蓄(うんちく)を内包しており、特定の土地や自然、特定の人びとの風俗習慣や感情と結びついている。無形文化遺産の保護と継承において重要なのは、その形だけでなく魂(本質)が継承されるよう、無形文化遺産が体現する審美的な魅力と精神的な意味を保存することだ。

 例えば、リー族の錦の織物「黎錦」は「雲のように光り輝く」織物だ。織りや刺繍の工程は、糸を紡ぐ、染める、織る、刺繍するという4つのステップからなり、少なくとも3~4か月を要する。複雑な裏織りや両面織りとなると、さらに時間がかかる。時間をかけて磨き上げられたその芸術は、職人たちの忍耐力を試すものであり、職人技の結晶だ。

 技術そのものを伝承するだけでなく、縦糸と横糸の間にある努力や知恵、革新的な気質、職人魂も受け継がれなければならない。

 無形文化遺産の保護は、人や物だけでなく、生活にも目を向けるべきである。無形文化遺産は、実践の土壌に根ざし、日常生活に埋め込まれたものだ。それは静的な文化の象徴ではなく、動的な文化の有機体だ。

 中国少数民族・チャン族の伝統的な新年の祭である「羌年」は、歴史的伝統、歌や踊り、そして飲食の文化を融合したものだ。国家級の「羌族文化・生態保護区」が設立されたことで、チャン族の文化は全体として有機的に保護され、「羌年」の風習を生のまま継承するための自然、文化、社会的な基盤が強化され、歌や踊りを通じてのチャン族文化の生きた伝承が推し進められた。
 
「黎錦」が地元のリー族の人びとの就業と収入の増加を促す「幸福の錦」となり、「羌年」が文化エコツーリズムと農村の特色ある観光を促進する「加速装置」となり、木造のアーチ橋が文化と自然生態系の保護が調和した「協奏曲」を奏でるようになれば、無形文化遺産は「活性化」の中で豊かな実りを生み出し、古代文化と現代生活の融合と共生という感動的な物語を描くことになるだろう。

 無形文化遺産はそれぞれが、中華民族の知恵の結晶であり、中華文明が連綿と伝承されてきたことを示す生きた証拠である。

「緊急保護リスト」から「代表リスト」へ移行したにせよ、海外への展開や国際舞台での活躍があるにせよ、あるいは人びとの素晴らしい生活の重要な一部となっているにせよ、無形文化遺産はいま大きな存在感を放っており、そしてそれは終着点ではなく、継承と保護の新たな出発点なのである。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews