【4月16日 AFP】フランス・パリ11区のスポーツジムで14日、「クライオセラピー」と呼ばれる凍結療法中の事故で1人が死亡、1人が重体となっている。捜査当局は、施術装置からの窒素漏れが原因とみている。

死亡したのは、20代後半のジムの女性従業員。他に、施設を利用していた30代の女性が重体となり、入院している。

捜査関係筋によると、初動捜査では、原因はクライオチャンバーと呼ばれる施術装置からの窒素漏れによる中毒症状と考えられている。

捜査関係筋によると、被害者らに応急処置を行った3人も治療を受けた。

当時ジムにいた150人も、事故発生直後に避難した。

窒素は、無色無臭の気体で、クライオセラピーで一般的に使用されている。

セラピーでは、クライオチャンバーの中でマイナス100度の冷気を浴びる。推奨時間は3分以下とされている。

クライオセラピーで全身を極度の低温にさらすと、筋肉痛やストレス、リウマチ、さまざまな皮膚疾患の軽減に効果があるという人々もおり、一流アスリートや有名人も利用している。

しかし、多くの専門家は、医学的効果は証明されておらず、短期・長期的な影響を判断するにはさらなる研究が必要だと警鐘を鳴らしている。

クライオセラピーをめぐっては、2015年に米ラスベガスのスパで女性が凍死し、米当局が調査に乗り出す事故が起きている。(c)AFP