グリーンランド米軍基地司令官、解任 バンス副大統領に異論
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【4月12日 AFP】デンマーク自治領グリーンランドにあるピトゥフィク米宇宙軍基地のスザンナ・マイヤーズ司令官(大佐)が解任された。ドナルド・トランプ米大統領は、グリーンランドの領有に意欲を示している。
マイヤーズ氏は、昨年7月から同基地の司令官を務めていたが、J・D・バンス米副大統領が3月に行ったデンマーク批判から距離を置いていたと報じられた。
米宇宙軍は10日夜の声明で、「司令官は特に任務遂行に中立を保つことに関して、最高水準の行動規範を順守することが求められる」と表明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
米ウェブサイト「ミリタリー・ドット・コム」は、マイヤーズ氏がバンス氏訪問後の3月31日に基地の全職員に電子メールを送信したと報道。その内容は「基地で働く空軍兵と警備員、カナダ人、デンマーク人、グリーンランド住民の結束を促すことを目的としていたとみられる」と伝えている。
マイヤーズ氏は電子メールに、「私は現在の政治を完全に理解しているわけではないが、3月28日にバンス副大統領が言及した米政権の懸念は、ピトゥフィク宇宙軍基地(の見解)を反映したものではないのは確かだ」と記していたとされる。
バンス氏は3月28日の基地訪問時の記者会見で、「デンマークへのわれわれのメッセージは非常にシンプルだ。あなた方はグリーンランド住民のために良い仕事をしていない」「あなた方のグリーンランド住民への投資も、この信じられないほど美しい大地の安全保障体制への投資も不十分だ」と述べていた。
国防総省のショーン・パーネル報道官はX(旧ツイッター)で、「指揮系統を弱体化させたり、トランプ大統領の政策を覆したりする行動は、国防総省では許されない」と述べた。(c)AFP