【4月11日 CNS】「皆さんの暮らしが花のように美しくありますように!」

 3月19日午後、習近平(Xi Jinping)国家主席は雲南省(Yunnan)麗江市(Lijiang)の現代花卉産業園を訪れ、現地の村民や技術者たちと親しく交流した。

 花は、雲南が世界に誇る美しい名刺だ。切り花の生産量は全国1位を誇り、「一年間に生産される花を世界中の人に分ければ、一人につき3本もらえる」とまで言われている。

「雲南十八の不思議」という言葉にあるように、「花をキロ単位で売る」この地では、花の香りこそが豊かさの象徴となってきた。「世界の庭園」とも呼ばれる雲南は、中国で最も香る省と言っても過言ではない。

 その「香り」は花にとどまらない。茶の芳香、コーヒーの深い香り、果物の爽やかな香りが、この地を彩っている。

 2023年、雲南は茶葉の栽培面積、生産量、有機・グリーン茶園面積のいずれも全国1位となった。雲南は世界の茶の原産地の一つであり、瀾滄江流域には樹齢千年を超える古茶樹が今も残されている。

 コーヒーも、雲南産が中国全体の98%以上のシェアを占め、「濃厚なのに苦くなく、香り高くて刺激が少なく、ほんのり果実の酸味がある」と評価され、世界へと進出している。

 また、雲南は中国で最も果物の種類が豊富な省であり、アボカドや夏のイチゴは全国生産量の80%以上を占めている。

 このような「香りに満ちた雲南」は、恵まれた自然環境を活かして、全国でも存在感を放つ省となっている。

 青空に白い雲、澄み切った空気──それが雲南の当たり前の風景だ。「動植物の王国」とも称されるこの地には、国内外から多くの観光客が集まってくる。「雲南のような暮らし」という言葉は、今や全国で共感を呼ぶライフスタイルとなっている。

 2024年、雲南の観光による総消費額は1兆1400億元(約23兆7702億円)に達し、旅先として滞在した人数は389.75万人、前年より20.7%増加した。

 この「香り」の裏には、雲南の徹底した環境保護への覚悟がある。

 目先の利益にとらわれず、短期的な繁栄ではなく、緑豊かな山や清らかな水を守ることこそが、真の持続可能性であるという理念を貫いてきた。

 経済成長のスピードにも無理に執着せず、高品質な発展とエコバランスの維持を同時に実現することで、次世代へ本当の豊かさを残す道を選んだ。

 利益の大きい投資案件であっても、もし環境を汚染する可能性があるなら、雲南はそれを毅然として断る。汚染をもたらすお金はいくらあっても受け取らない、そうした信念を持ち続けている。

「汚染を伴うお金は絶対に受け取らない。汚染を伴うプロジェクトはどんなに規模が大きくても導入しない。七色の雲南を、より青く、より緑豊かに、より澄んだ水の地へ。雲南は人びとの心の中にある永遠の『詩と遠い旅』であり続けたい。」──これは2025年の雲南省政府活動報告に記された言葉であり、雲南の開発哲学を象徴している。

 今日の雲南では、かつて以上に生態環境が整っており、アジアゾウがゆったりと歩き、雲南キンシコウが森で遊び、マクジャクが舞う。2024年、雲南の地級市における空気の質が良好だった日数の割合は99.1%に達し、PM2.5の年間平均濃度は20.5マイクログラム/立方メートルと、いずれも全国トップクラスの水準を維持している。

 こうした「損して得を取る」ような賢い選択こそが、雲南がエコを最優先し、グリーン発展の道を一貫して歩んでこられた理由であり、経済の質的向上の基盤にもなっている。雲南の経済総量は、2012年の1兆1100億元(約22兆1710億円)から、2024年には3兆1500億元(約62兆9178億円)へと着実に伸びており、発展の質は確実に高まっている。

 この「緑」という強みを活かし、雲南は一歩ずつ着実に産業の高度化を進めてきた。

 全国有数のクリーンエネルギー供給基地の建設にも力を注ぎ、過去30年で、雲南から広東省(Guangdong)、上海市、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)、浙江省(Zhejiang)といった東部地域へ送った電力は累計15兆キロワット時を超え、全国第1位となっている。

 また、国家戦略としての有色金属産業基地の構築にも取り組み、グリーンアルミニウム、シリコン太陽電池、新エネルギー電池など、雲南は「新三種」の産業を育てつつある。

 さらに、茶、切り花、コーヒーといった主力品目に加え、クルミやゴムなどの作物でも栽培面積・生産量ともに全国トップを誇るなど、高原の特色を生かした現代型エコ農業基地の整備も進んでいる。これらの「地元産品」は、地域住民の収入を支える「金の飯碗」にもなっている。

 自然の「緑の豊かさ」が、経済の「金の価値」へと変わる。雲南はその時間をかけた歩みのなかで、「あえて手放したもの」が、やがて青い空と緑の山に囲まれて、かけがえのない「得」として実を結ぶことを証明してみせた。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News