【4月9日 AFP】米国が東欧に駐留する米軍部隊1万人以上を撤退させる可能性があると、NBCニュースが8日、報じた。一部の専門家からは、ロシアをつけあがらせるのではないかと懸念の声が上がっている。

米国はジョー・バイデン前政権時代の2022年、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、東欧に約2万人を増派し、北大西洋条約機構(NATO)東方前線を強化した。

NBCは、ルーマニアとポーランドに駐留する米軍部隊の半減について協議が進められていることを米欧の当局者6人が確認したと報じた。

ドナルド・トランプ大統領は、3年以上続くウクライナ紛争の速やかな終結を求めているが、突破口は見いだせていない。

トランプ氏はNATOを繰り返し批判し、欧州が軍事費を増やし、ウクライナ軍事支援を主導することでNATOの防衛責任をもっと負うべきだと主張している。

だが、米欧州軍司令官を務めるクリストファー・ガボリ陸軍大将は8日、下院軍事員会の公聴会で東欧における米軍の駐留規模を変更する計画があるかどうかを問われると、そうした計画はないと回答。

「現在の主な配置先が、部隊が駐留するべき場所であり、そこに引き続き駐留させる計画だ」と述べた。

米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」のセス・ジョーンズ氏はNBCに対し、米軍の規模を縮小すれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の「欧州全域にさまざまな形で干渉する意欲」をかき立てることになると警告した。

現在欧州には約10万人の米軍部隊が配備されている。うち6万5000人が常駐で、残りは輪番制派遣と増援部隊となっている。(c)AFP