【4月4日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が発表した関税が、ペンギンしか生息していない無人島も対象としたことで、ソーシャルメディアではペンギンのミームが拡散している。

3日に拡散したミームには、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー氏が最近、ホワイトハウスでトランプ氏およびJ・D・バンス副大統領と口論した際の写真で、ゼレンスキー氏をペンギンに差し替えたものも含まれている。

別の画像では、トランプ氏とメラニア夫人、カナダのジャスティン・トルドー前首相の写真で、トルドー氏がコウテイペンギンに差し替えられていた。トランプ氏が横目で見守る中で、メラニア夫人がコウテイペンギンを見つめる格好となっている。

だが、なぜ世界の最辺境まで関税の対象とされたのかと困惑する声も上がっている。

好例なのが、南極に近いオーストラリア領のハード島とマクドナルド諸島からの全輸出品にも、10%の関税が課された点だ。ハード島とマクドナルド諸島は無人で、4種類のペンギンしか生息していないにもかかわらず、なぜ関税を課したのだろうか。

第1次トランプ政権で11日間だけ広報部長を務めたが、今では声高な批判派に転じたアンソニー・スカラムッチ氏はX(旧ツイッター)で、「ペンギンは何年もわれわれを食い物にしてきた」とジョークを飛ばした。

米上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務はロシアが関税対象国リストに載っていない点に言及し、「ドナルド・トランプはペンギンに関税を課したが、(ロシア大統領のウラジーミル・)プーチンには課さなかった」と投稿した。

これに対しホワイトハウスは、ロシアにはウクライナ侵攻をめぐり制裁を科しており、ロシアとの間に「有意な」貿易が存在しないと説明した。

トランプ氏はまた、太平洋に浮かぶ小島で、人口2000人余りのオーストラリア領ノーフォーク島にも29%の関税を課したことで当惑を引き起こした。

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は「経済大国である米国にとって、ノーフォーク島が貿易上の競争相手なのかどうか、私にはよく分からない」と述べた。

1982年に英国とアルゼンチンが戦ったフォークランド紛争で最もよく知られる英領フォークランド諸島(人口3200人、ペンギン約100万羽)は、英本土が科された関税は10%であるにもかかわらず、41%の関税を課された。(c)AFP