【4月4日 AFP】英国のヘンリー王子は3日、自身がアフリカで共同設立した慈善団体サンタバリーに関する理事長の「明白なうそ」に反論し、慈善団体の監視機関の調査によって王子が後援者を辞任しなければならなかった理由の「真実が明らかになる」と信じていると述べた。

サンタバリーでは内部対立が激化している。ソフィー・チャンダウカ理事長は先週末、ヘンリー王子が「いじめ」と「隠蔽(いんぺい)」に関与していると公に非難した。

その数日前にヘンリー王子と共同創設者のレソトのシーイソ王子は、2006年に彼らが設立したサンタバリーから辞任することを発表。その前にはチャンダウカ理事長が辞任要求を拒否したことを受け、理事たちが辞任していた。

ヘンリー王子は、母親の故ダイアナ元皇太子妃をしのんでこの慈善団体を設立し、レソトとボツワナでHIV(ヒト免疫不全ウイルス)とエイズに苦しむ若者を支援してきた。

ヘンリー王子は声明で、「過去1週間で起こったことは目を覆いたくなるものであり、特にこのような明白なうそが何十年もこの共通の目標に投資してきた人々を傷つけるのを見るのは心が痛む」とコメント。

「元理事や後援者を代表して、慈善委員会が徹底的な調査を行うと確認したことに安堵(あんど)している」「われわれが辞任を余儀なくされた真実が明らかになることを大いに期待している」と付け加えた。

チャンダウカ理事長は先月30日に放送されたスカイニュースのインタビューで、ヘンリー王子が「いじめや嫌がらせ」を通じて彼女を追い出そうとしたと非難した。

理事長によると、組織内には「沈黙」の文化があり、理事たちはヘンリー王子に対して意見を述べることをためらっていた。王子は理事会やそれ以外の場所でも「けんか腰」だったという。

理事長はその一例として、昨年行われたサンタバリーのポロの資金調達イベントにヘンリー王子がネットフリックスのカメラクルーを連れてきたことや、妻メーガン妃を予期せず登場させたことを批判した。

資金調達イベントについてメディアが批判的に報じた後には、ヘンリー王子が理事長に対し「サセックス公爵夫人を擁護する何らかの声明を出すように求めた」という。

理事長はこのような擁護要請は「ヘンリー王子の努力を支援する」「サセックスのPRマシーン」によるものだと述べた。

一方で、元理事の一部は理事長の主張の真実性に疑問を呈している。

理事に近い情報筋はBBCに対し、理事らの辞任後に「こうした宣伝活動が行われることは十分予想していた」と語った。(c)AFP