【4月1日 Xinhua News】中国雲南省デチェン・チベット族自治州シャングリラ市はここ数年、近郊の納帕(ナパ)海湿地の生態修復プロジェクトを持続的に進めている。プロジェクトの進展により湿地で越冬する渡り鳥の数が増え続け、多くのバードウォッチング愛好者が観光や観察のために訪れるようになり、生態保護の恩恵が独特な形で地方経済に還元されている。

 地元の村民たちはこの機会を生かし、バードウォッチングガイドやバードウォッチング民泊施設、特色ある飲食店などの新しい事業を行い。伝統的な農牧業で生計を立てていた農村は、農業と文化観光の融合発展という新たな道を歩み始めている。

 バードウォッチングと同時に鳥類の保護をしっかり行うために、地元では複数のボランティア保護チームを組織した。チームには同湿地周辺の農牧民が参加し、定期的に湿地のゴミを清掃したり、渡り鳥の健康状態の監視を手伝ったりしている。また、同自治州の文化観光部門は、普達措国家公園や同湿地などの生態資源を活用し、複数の生態保護やバードウォッチングの特色を持つ観光ルートを設計したほか、「バードウォッチング+(プラス)民俗」「バードウォッチング+研究学習」などの複合型観光商品を新たに打ち出し、バードウォッチング愛好者にバラエティー豊かな旅行体験を提供している。

 北京林業大学教授で中国林業生態撮影協会主席の陳建偉(ちん・けんい)氏は「渡り鳥の越冬地の生態修復からバードウォッチング観光産業チェーンの拡張まで、デチェン・チベット族自治州は新たな『グリーン(環境配慮型)帳簿』をつけ、生態的価値と経済的利益の双方に利益があるウィンウィンの道を示している」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News