空港で博物館見学、陝西の空港博物館が人気
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【3月25日 CNS】飛行機を待ちながら博物館を見学できる――そんな新しい体験が、中国・西安咸陽国際空港(Xi'an Xianyang International Airport)T5ターミナルで可能になった。この「西部空港博物館」は最近、一般に無料で公開され、多くの注目を集めている。連日、多くの来場者が訪れ、すでに数千人が見学した。事前に予約して、わざわざ体験しに来る人も多い。
「帰りの航空券がちょうどT5ターミナルだったので、空港で何気なく写真を撮ったらとても映える写真が撮れた!」と、中国のSNS「小紅書(Red)」に投稿したユーザーの叙白(Xu Bai)さんは、搭乗前のひとときを空港博物館で過ごした感想をシェアしている。
西部空港博物館は、世界で初めて空港内に設置された常設の地域博物館で、総面積は約6400平方メートル、これは標準的なバスケットボールコート約15面分に相当する。空港ターミナル4階に位置し、目の前には壮大な古代風の建物群が広がる。その中心部に博物館がある。
館内に足を踏み入れると、唐代風の建築様式が来館者を迎え、一瞬で「唐の時代」にタイムスリップしたような感覚になる。重厚な寄棟造(よせむねづくり)、斗拱(ときょう)、反り返る屋根などが目を引く。館内では、十六国時代の彩色された女性音楽家の陶俑(人形)のほか、唐代の宮廷出入証「楊全節魚符」の裏話、さらには光と影で再現された古代長安の風景も体験できる。
主展示館「四方館」には、これまで空港建設に伴って発掘された120点以上の出土文物が展示されている。「四方館」とは、中国古代の外交官署を指し、全国から訪れる使節の接待を担っていた施設だ。もう一つの展示エリア「珍宝館」では、3~6か月ごとに陝西省(Shaanxi)を代表する文物が入れ替え展示され、まるで「福袋」のようなワクワク感が楽しめる。初回展示では、中国春秋時代の青銅礼器「秦公鑼」が登場。これは宗廟の儀式で使われていた国宝級の文物だ。
「どうして発掘現場がそのまま『文化財の宝庫』に変わったのか?」――西部空港博物館の準備チームの侯超(Hou Chao)氏によると、博物館設立のきっかけは市民からの要望だったという。この地域では空港建設時に多くの文物が発掘されたため、SNSでも「空港に博物館を作ってほしい」との声が多数寄せられていた。
この空港が位置する「洪瀆原地区」は古代長安の西北に位置し、先秦から明清時代にかけて2000年以上の歴史を持つ地域だ。1950年代から継続して行われている発掘調査では、2万を超える古墳が発見されており、考古学者からは「一つの洪瀆原が中国史の半分を語る」とも言われている。
古都・西安市(Xi'an)には100以上の博物館があるが、今回の「空港+博物館」という異色の組み合わせは、空港博物館ならではの特徴だとプロジェクト責任者の陳瑶氏は語る。また、館内では無料のガイド解説、無形文化遺産の展示、文創品展示、最新テクノロジー体験などの多彩なイベントも開催されている。
中国観光研究院の戴斌(Dai Bin)院長は「現代の空港は、もはや飛行機の発着だけの場所ではなく、新しい観光・文化空間でもある」と語る。
何千年もの歴史を持つ文物が現代社会に溶け込むことで、文化はより「生きた存在」として感じられるようになる。中国外交部の毛寧(Mao Ning)報道官もSNS「X」で世界中の旅行者に向けて、「西安空港の新しいT5ターミナルで古代の歴史と現代の旅が出会う。さあ、旅支度をしてシルクロードの出発点となる王朝の冒険へ出かけよう」と呼びかけた。(c)CNS/JCM/AFPBB News