【3月18日 AFP】カナダのマーク・カーニー新首相は17日、初外遊でフランスと英国を訪問した。首脳会談をこなし、カナダは米国への依存を減らし、代わりに「信頼できる」欧州同盟国に目を向ける必要があるとの考えを表明した。

ジャスティン・トルドー前首相の後任に先週就任したカーニー氏が初外遊先に選んだのは、米国ではなく、欧州主要国の仏英国両国となった。

英ロンドンではキア・スターマー首相と会談後、記者団に対し「明らかなのは、わが国の貿易・安全保障関係が米国に依存し過ぎているということだ。多角化しなければならない」と強調。「この点が、最初の訪問先がパリとロンドンである理由の一つだ」と語った。

スターマー氏は、カーニー氏の「ウクライナへのアプローチ」に謝意を表明した。カーニー氏は2日前、スターマー氏が主催した、ウクライナ支援のためのビデオ会議に参加していた。

カーニー氏は、バッキンガム宮殿でチャールズ国王とも会見した。カナダは英連邦加盟国で、元首は英国王。

訪英に先立ち仏パリを訪れたカーニー氏は、大統領府(エリゼ宮)でエマニュエル・マクロン大統領と会談。自国について「非欧州国の中で最も欧州的な国」と表現し、米国との良好な関係の維持に努めつつ、フランスのような欧州同盟国との関係を強化する必要があると述べた。

カーニー氏は帰国途中、カナダ国内ではデンマーク領グリーンランドに最も近い北部ヌナブト準州の州都イカルイトに立ち寄り、「カナダ北極圏の安全保障と主権を再確認する」予定だ。(c)AFP/Anne-Laure Mondesert with Francesco Fontemaggi in Paris and Anne-Marie Provost in Montreal