【3月15日 東方新報】中国乗用車市場は、3月に力強い成長が見込まれている。

 中国自動車流通協会の乗用車市場情報連合会(以下「乗連会」)の最新統計によると、2月の全国乗用車小売台数は138.6万台で前年比26%増。1〜2月累計は317.9万台で、前年比1.2%増だった。2月の販売は過去最高水準にあり、春の気候や市場心理の変化で、新エネルギー車(NEV)の普及が急速に進み、市場回復の主な原動力となっている。

 政府は、スマートコネクテッドNEVを「次世代スマート端末」と位置づけ、スマートコックピットや自動運転技術の普及を促進している。自動車は単なる交通手段から「スマートモビリティ空間」へと進化しており、L4自動運転、V2X、AI高演算チップ、車載クラウドの融合が進む。「ハード+ソフト+サービス」のエコシステム構築が求められている。

 完成車メーカーは、L3/L4自動運転や固体電池、OTA機能の開発を進める一方、テック企業や地方政府と連携したアライアンス構築、インターフェース開放、超急速充電網の整備にも注力している。ユーザーサービス面では、シーン対応型キャビンやサブスク、データ活用による価値向上と、データ倫理・安全の体制整備が進められている。

 実行段階では、短期的にL3量産と車載通信整備、中期で都市型NOAと他ブランド協調、長期的に完全自動運転と国際標準の主導が目標となる。自動車産業は今や「スマート端末」競争であり、技術・エコシステム・ユーザーを融合した産業再構築が求められている。

 2月の自主ブランド車販売は91万台で前年比51%増、小売シェアは65.6%。高級車は15万台で前年比8%減。NEVは68.6万台で前年比79.7増、1〜2月累計143万台で35.5%増となった。NEVの国内浸透率は49.5%に達し、自主ブランドのNEVは70%、高級車23%、合弁ブランドは4%だった。新興EVメーカーのシェアは19.9%、小米汽車科技(Xiaomi Auto Technology)などの新ブランドが成長を牽引した。

 3月は21営業日で前年同月と同じ。春節(旧正月、Lunar New Year)後の経済活動再開により、生産・販売は大きく伸びる見通し。新車発表や地方政府の消費刺激策、オフラインイベントの再開が販売を後押しする。原材料価格の低下もNEVコスト構造の改善に有利となり、市場の注目度がさらに高まっている。

 乗連会は、2025年は政策支援が過去最大規模になるとみており、報廃政策による更新は500万台、補助金は約900億元(約1兆8407億円)、買い替え支援も1300億元(約2兆6589億円)規模となる見込み。NEVの年間販売は1600万台超で、2兆元(約40兆9054億円)超の売上が見込まれる。自動車購入税免除も今年が最後となり、その効果は約2000億元(約4兆905億円)に達する見通しだ。

 これらを合計すると、4000億元(約8兆1810億円)超の政策支援が市場に注入されることになり、自動車総売上5兆元(約102兆2635億円)規模に対しても前例のないレベルの後押しとなる。

 外部環境の変化と多極化の進展が続く中で、3月の中国乗用車市場は堅調な成長を維持し、NEVが引き続き牽引役となる見込み。政策支援・技術進歩・消費高度化が市場拡大の鍵となり、国内外市場とサプライチェーンの安定成長に向けて、「電動と内燃の共存」政策が重要になるだろう。(c)東方新報/AFPBB News