キーワードで見る中国消費の新潮流
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【3月17日 Peopleʼs Daily】昨年1月から11月までの中国の消費財小売総額は44兆元(約944兆6800億円)を超え、前年同期比3.5%増加した。中国消費市場は規模が大きいだけでなく、新技術、新モデル、新業態が次々と登場し、多くの新たな変化や注目点が見られる。それぞれの「キーワード」から中国消費の新潮流を見てみよう。
■キーワード:下取り
新エネルギー車の下取り、スマートエコ家電の購入、電子製品のアップグレード。 昨年は、消費財の下取り政策の追い風を受け、多くの消費者が「新たな高額商品」を購入し、大きな実質的な利益を享受した。
商務部のデータによると、中古消費財を下取りし新品と交換する政策により、昨年の交換対象商品の販売総額は1兆元(21兆4700億円)を超えた。12月13日0時時点で、中古車下取り方式で購入された乗用車の台数は520万台を超え、同様の方式で購入された冷蔵庫、テレビなどのいわゆる「8大家電」の台数は4900万台を超え、住宅リフォームやキッチン・バスルームの改装による関連商品の販売数量は5100万件を超え、中古電動自転車の下取りで購入された新品の電動自転車は90万台近くに達した。
■キーワード:初出店、初登場
国際ブランドのシャネル(Chanel)が杭州市(Hangzhou)の西湖(Xihu)のほとりで世界デビューショーを開催。上海市の張園(Zhangyuan)では、アジア初出店または中国初出店のブランドショップが100近くに上った。
地域初出店や全国初出店といった新たな消費シーンの出現は、人びとの娯楽や余暇の過ごし方への興味を大いに喚起した。「初登場経済」は、地域ビジネスの発展の重要な原動力となっている。
上海市では、昨年1月から7月までの間に770の初出店があり、前年同期比で16.5%の増加となった。この中には、世界初出店が5店舗、アジア初出店が4店舗、国内初出店100店舗以上が含まれている。
北京市商務局のデータによると、昨年1四半期から3四半期まで、北京市では717の新しいブランドの初店舗、旗艦店、イノベーティブコンセプトストアが開店し、その数は前年同期比で40%の増加となった。
■キーワード:文化観光ブーム
昨年の中国文化観光市場はブームが継続的に盛り上がった。インバウンド観光も活況を呈している。144時間のトランジットビザ免除措置が実施され、その後240時間に延長された。またビザ免除国の範囲も拡大された。
中国の対外開放政策は拡大を続け、国内外のソーシャルメディアでは「チャイナトラベル」がホットな話題となっている。昨年の1~3四半期で、中国へのインバウンド観光客は、およそ延べ9500万人に達し、前年同期比で80%近く増加した。
一方、国内観光も活況を呈している。文化、商業、観光、スポーツなど、複数の分野の有機的な融合が深まり、「スポーツイベントを楽しむ旅行」や「味覚を楽しむ旅行」などの複合型の楽しみ方が加速的に増えている。中国のフードデリバリー大手「美団(Meituan)」のデータによると、昨年11月以降のスキーやスケートなどの氷雪観光の検索件数は、前年同期比2倍以上に増加した。
■キーワード:県経済
中国には2800を超える県レベルの行政区域があり、国内総生産の40%近くを占め、数億人の人口を抱えている。
消費分野では、多くの有名なチェーンブランドが県の地域に店舗を開き、県レベルの消費市場のアップグレードが進んでいる。「美団」のデータによれば、昨年は県の地域でスターバックス(Starbucks)、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、Luckin coffee)、庫迪珈琲(Cotti Coffee)などのブランドコーヒーのテイクアウト注文数が前年比97%増となり、テイクアウトの加盟店数は159%増加した。
同時に、県地域は都市住民の消費先としても重要な場所となってきた。昨年は「県ツアー」に引き続き人気が集まり、「飲食、旅行、娯楽、ショッピング」など多様な現地消費が成長している。
また3線以下の地方都市の住民の海外旅行者数も増加している。中国のオンライン旅行代理店「去哪児(Qunar)」のプラットフォームのデータによると、国慶節の連休期間で、3線以下の都市の住民の海外旅行予約件数は、前年比で約3倍に増加しており、これは農村経済の巨大な潜在力を示すものだと言える。
■キーワード:シルバーマーケット
シルバー経済の発展に伴い、経済力があり多様な考え方を持つ「新老人層」の消費潜在力が注目されている。中国では比較的若いシルバー人口が多く、フィットネス、メイク、ヘルスケア、旅行など消費は多くの分野に拡大し、多様化、若者化、ファッション化の傾向が顕著となっている。中国EC大手「京東(JD.com)」の「2024シルバー消費者レポート」によると、入浴を楽にするシャワーチェアや多機能電動ベッドなど高齢者向け商品の売上は、前年比でそれぞれ202%、152%F増加している。
中国の60歳以上の高齢人口は、23年末で2億9700万人に達し、総人口の21.1%を占めた。
食事補助、在宅支援、高齢者介護、高齢者向けスポーツ文化活動、農村高齢者支援から、スマート介護、リハビリ補助、アンチエイジング、高齢者向け金融、観光、高齢者向け住宅改修などまで、高齢者の生活支援から高齢者向け介護産業までの潜在的な市場規模は、計り知れないほど巨大なものになっている。
■キーワード:中国スタイルと中華風トレンド
中国トレンドに沿った文化クリエイティブ製品の購入、中華風ファッションの大胆アレンジ、無形文化遺産の工芸体験、古都や古鎮訪問など、中国スタイル・中華風ファッションは人々の生活により深く浸透した。
一部の報道によると、中国の伝統文化が消費傾向に与える影響力が拡大するにつれ、「国風(ナショナルスタイル)」「国潮(ナショナルトレンド)」「新中式(ニューチャイニーズスタイル)」といった概念が、飲食、娯楽、文化観光、美容、ファッションなど多くの消費分野と場面で広がっている。
こうした古くからの文化の要素が、よりファッショナブルで生き生きとした形で現代の生活に溶け込み、人びとが自己表現や個性の発揮をするための重要な手段となっている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews