【3月13日 AFP】英国とアイルランドで、甘味料のグリセリン(グリセロール)を入れたフローズンドリンクを飲んだ子どもが入院する事態が相次ぎ、研究者は8歳未満の子どもは飲まないよう注意を呼び掛けている。

子ども向けに販売されているフローズンドリンクは、鮮やかに着色され、甘味料としてだけではなく、液体が完全に凍るのを防ぐためにグリセリンが使用されていることが多い。

だが、高濃度の場合は子どもには有害で、グリセリン中毒はショック状態、低血糖、意識喪失を引き起こす恐れがある。

英医学専門誌「小児期疾患アーカイブス」に11日に査読付きで掲載された論文によると、研究チームは英国とアイルランドでの「症例が最近急増しているとみられる事態」を受け、フローズンドリンクを飲んだ後に緊急治療を必要とした2~7歳の患者21人の医療記録を調査。

大半の症例は2018〜2024年に発生し、多くの子どもは飲んで1時間以内に急激に症状が悪化。大半が意識を失い、血液酸度の上昇と低血糖がみられ、4人は脳のMRI検査を受け、1人は発作を起こしていた。

全員、その後間もなく回復した。

フローズンドリンクには必ずしもグリセリンが含まれているわけではない。砂糖でも十分に不凍剤の代わりになるからだ。

研究チームは、症例が急増している背景として、近年英国とアイルランドで糖分の過剰摂取への懸念が高まり、砂糖税が導入されたことも関係している可能性があると指摘している。

両国の食品安全機関はすでに、4歳以下の子どもはグリセリンを含むフローズンドリンクの摂取を避けるよう勧告している。

だが、研究チームは対象年齢の引き上げを奨励。

「特に8歳未満の子どもは、グリセリン入りのフローズンドリンクを飲むべきではない」「医師も保護者もこうした症例に注意を払い、公衆衛生機関は明確なメッセージを打ち出すべきだ」としている。(c)AFP