米国の対外援助削減で「多くの人が命落とす」 国連が警告
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【3月13日 AFP】国連人道問題調整室(OCHA)のトム・フレッチャー室長(事務次長)は12日、ドナルド・トランプ政権下での米国の対外援助削減が世界の人道支援活動に「地震のような衝撃」を与えていると述べ、「多くの人が命を落とす」と警告した。
フレッチャー氏は、世界中で3億人以上が人道支援を必要としていると推定し、「われわれが直面している資金削減のペースと規模は、もちろん、この分野にとって地震のような衝撃だ」「援助が枯渇しているため、多くの人が命を落とすだろう」と会見で述べた。
トランプ氏が1月に政権に復帰して以来、米国国際開発局(USAID)は政府支出削減を目指す政権の標的となっており、その影響はすでに世界中で感じられている。
米国務省は10日、すべての対外援助を凍結して見直した結果として、USAIDの契約の83%を終了すると発表した。
フレッチャー氏は「国連ファミリーとそのパートナーはどの命を優先すべきか、どの命を救おうと努力すべきかについて、日々厳しい選択を迫られている」と述べ、「われわれは米国の資金に過度に依存していた」と認めた。
昨年12月、国連は2025年の人道援助に474億ドル(約7兆円)が必要と見積もったが、これは推定1億9000万人を支援するのに十分な額でしかない。
フレッチャー氏が「何億人もの命を救ってきた」と語る米国の資金援助がなければ、国連のこの人道支援の規模は再び縮小されることになる。(c)AFP