【3月11日 AFP】韓国の起亜自動車は11日、同社のノルウェー法人が投稿したCMが、競合する電気自動車（EV）大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者（CEO）を中傷する内容だと指摘されている件について、「CMを承認していない」とAFPに述べた。

先月、キア・ノルウェーのSNSアカウントに投稿された広告には、同社の「EV3」が登場。そのバンパーには「イーロンが狂ったから、こちらを買った」と書かれたステッカーが貼られていた。

最近、テスラ車のオーナーの間では、マスク氏が米ドナルド・トランプ政権で政治に関与していることへの不満を示し、「マスク氏が狂う前に購入した」と書かれたステッカーをバンパーに貼る動きが広まっている。キア・ノルウェーの広告は、これをもじったものとみられる。

AFPがこの広告について起亜自動車に問い合わせた後、11日には投稿が削除された。

同社の広報担当者はAFPに宛てた声明で、「起亜自動車はキア・ノルウェーのSNS投稿を認識しており、すでに削除された」「この投稿は完全に独立した現地の企画であり、キア・ヨーロッパや起亜自動車の立場を反映するものではない」と述べた。

マスク氏は、自身が所有するSNS「X（旧ツイッター）」でこの広告画像が投稿されるのを見て、「本当にそんなことをしたのか？」と驚いた様子で反応した。

富豪実業家のマスク氏は、テスラおよび宇宙開発企業スペースXのトップであり、ドナルド・トランプ米大統領の強力な支持者で、現在はホワイトハウスの上級顧問も務めている。

マスク氏をめぐっては最近、自身が率いる「政府効率化省（DOGE）」への抗議活動が激化。テスラ販売店に対する破壊行為や、Xへのサイバー攻撃とみられる事案がたびたび発生している。(c)AFP