中国、対米報復関税を発動 貿易紛争激化へ
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【3月10日 AFP】中国は10日、トランプ米政権が中国からの輸入品を対象に関税を引き上げたのに対抗し、米国からの特定農産品への関税を発動した。世界1、2位の経済大国間の貿易紛争が激化する公算が大きくなった。
トランプ政権は2月、中国からの輸入品に対し一律10%の関税を課した後、先週には関税率を20%に引き上げた。
中国はこれに迅速に反応した。中国財政部は、米国が「多国間貿易体制を損なっている」と非難し、新たな対抗措置を発表。10日から「鶏肉、小麦、トウモロコシ、綿花」に15%、「ソルガム、大豆、豚肉、牛肉、水産物、青果、乳製品」には10%の追加関税を課すとした。
アナリストによると、中国の報復関税はトランプ政権の支持基盤に打撃を与えることを意図しつつも、交渉の余地を残すよう慎重に調整されている。
米国との貿易摩擦が激化すれば、国内経済の不安定化阻止を図る中国指導部の取り組みは、一段と困難なものになる見通しだ。(c)AFP