【03月09日 KOREA WAVE】
(c)MONEYTODAY
(c)MONEYTODAY

「民主主義の根幹である選挙の管理システムがこれほど杜撰であれば、国民が選挙結果を信頼できるはずがない」

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領昨年12月12日の国民向け談話でこう語った。

YouTubeなど非公式な場で取り上げられていた「不正選挙」陰謀論が、公の議論の場に浮上した。ユン大統領は、昨年12月3日の「非常戒厳」宣布の理由の一つとして、中央選挙管理委員会(選管)の不透明性を挙げた。選管の独立性を維持するという名目のもと、適切な監視を受けていない実態を調査するためには、非常措置が不可欠だったと主張している。

◇「不正選挙は不可能」…専門家の見解

多くの専門家は、韓国の選挙管理システムでは不正選挙は起こりえないと指摘する。

釜山カトリック大学のチャ・ジェウォン教授は次のように解説する。「韓国の選挙管理システムは非常に厳格に確立されている。開票時には選管の職員だけでなく、各政党や候補者の立会人も同席するため、不正は事実上不可能だ」

また、明知大学のシン・ユル教授も「不正選挙はあり得ない。もし本当に不正行為があれば、選挙結果と放送局の出口調査の結果に大きな差が出るはずだ。しかし、実際にはほとんど一致している」との見解を述べた。

◇選管への不信感…不祥事と対応の問題

国会では、選挙結果に対する国民の不信感の要因として、選管の不誠実な対応を指摘する声が多い。過去には「ザル投票問題」や「親族採用疑惑」などのスキャンダルが発覚し、選管の信頼が揺らいだこともある。

与党のある中堅議員は次のようにみる。「不正選挙自体は起こりえないが、選管の不適切な管理は確かに存在する。選管が過去の不手際を隠そうとしたり、不祥事が発覚しても真摯に謝罪しなかったりする態度が、国民の不信を招いている」

さらに、選管を監視・制裁できる機関がほとんど存在しないことも問題視されている。国会も積極的に介入しにくい。選挙の審判役である選管に対し、議員が監視機能を果たすのは困難だからだ。ある初当選議員は「プレイヤー(政治家)がレフェリー(選管)を監視するのは不適切だ」とたとえる。

◇国民の信頼低下…選管改革の必要性

世論調査によると、選管に対する国民の信頼度は低下している。

韓国ギャラップが今年1月7日から9日にかけて全国の成人1004人を対象に調査したところ、選管を「信頼する」と回答した人は40%にとどまった。特にユン大統領の弾劾に反対する層では、81%が選管を信頼していないと答えた。

こうした状況を受け、国会では選管の外部監視を強化する法改正が進められている。

与党・国民の力は、選管への監視・牽制システムを導入する「特別監察官法」を発議した。この法案には▽外部監査機関として「特別監察官」の導入▽選管事務総長の国会人事聴聞会制度の導入▽司法官の選管委員長兼任禁止――などが含まれる。

国会行政安全委員会のペ・ジュニョン議員(国民の力)は「適切な統制がなければ、選管の不正は繰り返される。選管自らが公正な姿勢を示さなければ、国民の信頼は得られない」と指摘した。

一方、野党・共に民主党のチェ・ヒョンイル議員も「選管は本来、公正な選挙管理者であるべきだ。しかし、規制・監督機関としての権限が過剰になり、不正を生む構造になっている」とし、選管の規制権限を縮小する「公職選挙法改正案」を推進すると明らかにした。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News