尹大統領「52日ぶり釈放」の真相…抗告断念した韓国検察は「違憲」を懸念か
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【03月09日 KOREA WAVE】韓国検察が裁判所の韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の勾留取消決定に異議を唱えず、釈放を指示した背景には、2012年の憲法裁判所の判決により、勾留執行停止決定への即時抗告が違憲と判断された経緯があるとみられる。
検察当局は8日、「検察総長は裁判所の勾留取消決定を尊重し、特別捜査本部にユン大統領の釈放を指示した」と発表した。これにより、検察の非常戒厳特別捜査本部がソウル拘置所に釈放指示書を送り、ユン大統領は即時釈放された。
法曹界では、既に違憲と判断された即時抗告制度を活用することに検察が負担を感じ、抗告を断念したとの見方が強い。
憲法裁判所は2012年、「即時抗告を認めれば、『検察の異議申し立て』が『裁判所の勾留執行停止決定』より優先されることとなる。事実上その決定を無意味にする権限を検察に与えることになり、憲法の令状主義に反する」と指摘した。
勾留執行停止とは、健康悪化などのやむを得ない事情がある場合に、一定の条件下で一時的に被告を釈放する制度だ。裁判所が必要と判断すれば、勾留執行停止を取り消し、再び勾留することも可能だ。
一方、勾留取消は、勾留そのものを取り消し、被告を完全に釈放する措置だ。この場合、被告を再び勾留するには、新たに勾留令状を請求するなどの法的手続きが必要となる。
検察は「過去の憲法裁判所の決定の趣旨や憲法の令状主義を総合的に考慮し、即時抗告をしないことを決定した」と説明した。
ただ、検察は裁判所の判断に納得しているわけではない。特に、ユン大統領の勾留期間の算定に関する裁判所の解釈が、現行法の規定や長年の実務慣行に反しているとして、即時抗告すべきだという特捜本部の意見があったことを明らかにした。
ソウル中央地裁は7日午後2時、ユン大統領の勾留を取り消す決定を下した。裁判所は、ユン大統領が法定の勾留期間を超えて起訴されたことを理由に勾留取消を判断した。法律上、定められた期間内に起訴されれば勾留期間は自動的に2カ月延長されるが、今回のケースでは期間内に起訴されなかったと認定された。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News