【3月8日 AFP】先月自宅で遺体で発見された米俳優のジーン・ハックマンさん(95)と夫人(65)について、当局は7日、不審死ではないとの検視報告を公表した。夫妻の遺体は2月26日、米ニューメキシコ州の自宅で発見された。

ニューメキシコ州医療捜査当局の主任検視官ヘザー・ジャレル氏は会見で、「ジーン・ハックマンさんの死因は高血圧とアテローム性動脈硬化による心血管疾患で、アルツハイマー病が重要な要因となっている」と報告。

「夫人のベッツィ・ハックマンさんの死因はハンタウイルス肺症候群とみられる」と述べた。

ハンタウイルス肺症候群はインフルエンザのような症状から始まり、発熱、筋肉痛、せき、時に嘔吐(おうと)や下痢などの症状を示し、進行すると息切れや心不全、肺不全に至ることもあるとジャレル氏は説明。

「ハンタウイルスを持つ特定のげっ歯類の排せつ物に触れ、1〜8週間の潜伏期間を経て発症する」と続けた。

ハックマンさんについては、心臓のペースメーカーのデータから、遺体が発見される1週間以上前まで活動していたことが分かったと述べた。

「こうした情報に基づくと、ハックマンさんはおそらく2月18日ごろに亡くなったと結論付けるのが合理的だ。状況から、ベッツィさんが先に亡くなり、2月11日に亡くなったと考えられる」と指摘した。

メンテナンス作業員の通報を受け、警察官がハックマンさん宅に駆けつけたところ、ドアは施錠されずに開いていた。浴室で発見されたベッツィさんの遺体のそばには、錠剤が散乱していた。

一方、別室で発見されたハックマンさんの遺体は完全に服を着た状態で、そばにはサングラスがあり、突然倒れたとみられていた。

浴室では犬1匹も死んでおり、他の2匹の犬は元気だった。(c)AFP