【3月7日 AFP】女子テニス協会(WTA)は6日、サウジアラビアの政府系基金パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)との共同イニシアチブとして、選手に有給で「最大12か月間」の出産休暇を与える「PIF WTAマタニティ基金プログラム」の設立を発表した。

このプログラムでは「320人以上の選手に利益を提供する」とし、「選手は有給での産休を最大12か月まで取ることができ、家庭を築くための不妊治療の助成金やその他の福利厚生も利用できる」とされている。

これらの支払いを受け取る条件として、選手は「一定期間内に一定数のWTAトーナメントに出場すること」が義務づけられる。

東京五輪の金メダリストで、昨年4月に第1子の娘ベラちゃんを出産して先月ツアー復帰を果たしたばかりのベリンダ・ベンチッチ(スイス)は、この画期的な制度について「本当に最高のニュース」だと歓迎。「WTAが女子競技で初めてこのような取り組みを行うことは、選手として非常に誇りに思う」とし、「家庭を築いて復帰を考えているすべての人にとって素晴らしいこと。特に、1年半も離脱して復帰するまでの間にどうにか生計を立てなければならない、ランキングの低い選手にとっては重要だ」と語った。

四大大会(グランドスラム)で優勝2回を誇るビクトリア・アザレンカも、WTAの選手評議会メンバーとして、「これはテニス界における女性支援の方法として意味のある変化の始まりであり、アスリートがキャリアと家庭を両立する夢を追求しやすくする」と歓迎した。

女子ツアーでは多くのトップ選手が出産のためにキャリアを中断し、その後のキャリアにもさまざまな影響を受けている。WTAによると、母親としてプレーしている現役選手は25人となっている。

キム・クライシュテルス(ベルギー)は2008年に娘を出産した後、2009年と2010年の全米オープンと2011年の全豪オープンを制して計三つのメジャータイトルを獲得し、母親としてグランドスラム制覇を成し遂げたオーストラリア勢のマーガレット・コートやイボンヌ・グーラゴング・コーリーグの足跡をたどった。

一方、通算23度のグランドスラム制覇を誇るセレーナ・ウィリアムス(米国)は、2017年9月に第1子を出産した後、ウィンブルドン選手権と全米オープンで計4回の決勝進出を果たしたものの、優勝はできなかった。

元世界ランキング1位でグランドスラム4勝の大坂なおみは、女児を出産して2024年はじめにコートに復帰して以降、今年1月に行われたASBクラシックでの決勝進出が最高成績となっている。(c)AFP