■「父の物語を再発見」

リュックを回収したおかげで、アスルさんはこれまで知る機会のなかった父親についてさらに詳しく知ることができた。

「父がどんな人だったのか、母は一度も私たちに教えてくれなかった。山で亡くなった登山家としか知らなかった。だから父の物語を再発見したようなものだった。私たちの父親には人生、歴史があった。だから父を再発見したようなものだった」

キャバレロさんが昨年同じリュックから発見した別のフィルムは、ビエイロさんとパートナーのレオナルド・ラバルさん(当時20)が、最難関とされる東側ルートからトゥプンガト山の登頂に成功したことを示すものだった。

トゥプンガト山のふもとにある同名の町に住むキャバレロさんはAFPに対し、東側ルートからの登頂に成功したのは、これまででビエイロさんたちしかいないと説明。「彼ら(ビエイロさんとラダルさん)が成し遂げたことは、アルゼンチンと世界の登山界において本当に歴史的価値がある」と続けた。

ビエイロさんとラダルさんの遺体は、死後間もなく収容されている。

アスルさんとグアダルーペさんは、「アルゼンチン登山史の一部」を他の人々と共有するため、ビエイロさんの持ち物を寄付する意向だという。(c)AFP