【3月6日 AFP】デンマーク自治領グリーンランドの首相は5日、ドナルド・トランプ大統領が施政方針演説で同島を「是が非でも」手に入れると誓ったことに反論し、島民は米国ともデンマークとも未来を共にするつもりはないと主張した。

トランプ氏は4日、米連邦議会の上下両院合同会議で演説し、鉱物資源が豊富で戦略的に重要なグリーンランドを併合する拡張主義的な野心を改めて示した。

グリーンランドのムテ・エーエデ首相はこれを拒否し、「われわれは米国人にもデンマーク人にもなりたくない。われわれはグリーンランド人だ。米国人とその指導者はそれを理解しなければならない」とフェイスブックに投稿。

「われわれは売り物ではなく、奪取されるわけにはいかない。われわれの未来はグリーンランドにいるわれわれ自身が決める」と語った。同島は議会選挙を6日後に控え、選挙では長年の独立問題が議題の最優先事項となっている。

トランプ氏は演説で世界情勢についてはほとんど触れず、不法移民の取り締まりや政府支出の削減などの国内の目標に焦点を当てた。

一方で、グリーンランドを手に入れると繰り返し表明。グリーンランドの「素晴らしい人々」にメッセージを送ったとして、「われわれはあなたたちが自分の未来を決める権利を強く支持し、もし望むなら米国に迎え入れる」と述べた。

しかし、説得が失敗しても諦めないことを明確にし、「是が非でもわれわれはそれを手に入れる」と語った。(c)AFP