【3月5日 AFP】世界保健機関(WHO)は4日、米国のドナルド・トランプ政権が対外援助の資金拠出を凍結した影響で、世界中の健康危機対応プログラムが打撃を受けていることを認めた上で、困っている人々を支援し続ける方法を見つけ出すと明言した。

WHOのマーガレット・ハリス報道官はスイス・ジュネーブでの会見で、資金提供の100%を米国が担っていた世界麻疹(はしか)監視ネットワークなどのプログラムが明らかに影響を受けていることを認めた。

緊急プログラムを担当するジャネット・ディアス氏も、ウガンダでのエボラウイルス病(エボラ出血熱)の感染拡大への対応が米国の援助凍結で影響を受けていると指摘。

緊急の感染予防と公衆衛生対策も影響を被っていると述べた。

一方でWHOについて、現在、「少ないリソースでどれほど支援できるか」、さらに「援助を行い、他の資金提供者を見つけられる他機関とのパートナーシップや協力を最大限に活用」できる方法を検討していると明らかにした。

ハリス氏も、どれだけ多くのプログラムが影響を受けても、WHOは必要な支援を提供し続ける方法を見つけ出すと主張。

「私たちは世界中の人々を見捨てない」「手をこまねいて嘆いているつもりはない。諦めるつもりはない」と訴えた。

トランプ氏の側近で、連邦政府の活動を大幅に削減する政府効率化省(DOGE)を率いている世界一の大富豪でもあるイーロン・マスク氏は3日、「対外援助資金の健全性をチェックするために援助を一時停止しているが、別に誰も死んでいない。一人もだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

この主張について質問を受けたハリス氏は、「評価を行うのは時期尚早だ」と強調。

「こうした影響を数値化するのは、かなりの時間がかかる」ため、「『その通り』とも『違う』とも言えない。適切な評価を行う必要があるからだ」と反論した。(c)AFP