【3月4日 AFP】アルペンスキー男子滑降のシプリアン・サラザン(フランス、30)は3日、イタリア・ボルミオで昨年12月に行われたW杯のトレーニング中に頭部を負傷した転倒事故を振り返り、「死にかけた」と語った。

この日、仏マルセイユで事故後初めて公の場に登場したサラザンは、「これほど順調に、そして早期に回復できたのはちょっとした奇跡だ」と話した。

現在も仏アルプス地方の都市ギャップの病院でリハビリを続けているが、「神経系の後遺症」はないと明かした。

事故では右膝の捻挫と背中に強い打撲を負ったが、物が二重に見える状態は日々改善しているという。「転倒する20メートル前から術後5日間の記憶がないのは、鎮静がうまくいったおかげだ」「その5日間は意識があっても脳は機能していなかった。おかげで心的外傷後ストレス(PTSD)はない」とも話した。

サラザンは昨季にW杯4勝を記録したが、2024-25シーズンは未勝利となっている。

競技への「情熱」はまだあるものの、復帰の可能性や復帰時期の話はまだ早すぎるとし、「100パーセント治すための時間が必要だ」とした上で、スキーを再開するのは「二の次だ」と語った。(c)AFP