【2月28日 AFP】米海洋大気局(NOAA)で数百人の科学者や専門家が解雇されたと米民主党議員が27日、述べた。

NOAAは、天気予報、気候分析、海洋保護などを担当する米国の主要機関。

現在、実業家のイーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」の主導で、連邦政府職員の大規模削減が進められており、その一環としてNOAA職員の解雇も実施された。

保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」が策定した、トランプ新政権のための政策提言「プロジェクト2025」では、NOAAが主要な標的とされている。

プロジェクト2025は、NOAAを「気候変動危機産業の主要な推進者」と位置付け、機関の解体を求めている。また、米国立気象局(NWS)を民営化し、気象予報サイト「アキュウェザー」のような民間企業に天気予報業務を委ねることを提案している。

下院天然資源委員会の筆頭委員代理で、民主党所属のジャレッド・ハフマン議員(カリフォルニア州選出)は、「マスク氏の偽りの使命によって、重要なプログラムが急停止させられている。人々はNOAAを通じて、正確な天気予報や深刻な気象警報、緊急情報を無料で入手できている」と指摘する声明を発表。

声明ではさらに、「科学者、専門家、キャリア公務員を排除し、基本的なプログラムを削減することは、人命を危険にさらす」と批判した。(c)AFP