【2月28日 AFP】(写真追加)米ニューメキシコ州の自宅で死亡しているのが発見された米俳優ジーン・ハックマンさん(95)夫妻について、捜査当局は27日、「不審」な点があり、徹底的な捜査が必要だと述べた。

ハックマンさんとピアニストの妻ベッツィ・アラカワさん(63)は26日、ペットの犬と共に自宅で亡くなっていた。

当局は当初、事件性はないとしていたが、2人の死は「徹底的な調査が必要と思われる不審点がある」として、捜索令状が発布された。

メンテナンス作業員の通報を受け、警察官がハックマンさん宅に駆けつけたところ、ドアは施錠されずに開いていた。浴室で発見されたアラカワさんの遺体のそばには、錠剤が散乱していた。浴室ではペットのジャーマンシェパードも死んでいた。

令状によると、アラカワさんは「しばらく前に」死亡し、遺体は腐敗が進んでいた。

一方、別室で発見されたハックマンさんの遺体は完全に服を着た状態で、そばにはサングラスがあった。突然倒れたとみられている。

ハックマンさんの娘はメディアに対し、一酸化炭素中毒が2人の死因の可能性があると語った。

サンタフェ郡のアダン・メンドーサ保安官は会見で、地元消防署による初期検査では高濃度の一酸化炭素は検出されなかったが、結論はまだ出ていないとコメント。「捜査中で、あらゆる可能性を検討している」と述べ、争った形跡はないと付け加えた。

アカデミー賞を2度受賞したハックマンさんは、自身の苦難に満ちた生い立ちからインスピレーションを得た迫真の演技で「普通の人々」を演じたことで知られ、70代まで数多くの映画に出演した。

代表作は1971年の『フレンチ・コネクション』。ニューヨークの粗野な刑事「ポパイ」ことジミー・ドイルを演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞した。1992年の西部劇『許されざる者』では助演男優賞を受賞した。(c)AFP