米国生まれ谷愛凌らのトレーニング予算 中国がネット検閲か
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【2月28日 AFP】フリースタイルスキー女子で2個の五輪金メダルに輝く谷愛凌ら、米国出身で中国に国籍を変更したウインタースポーツ選手2人のトレーニング費として、今年660万ドル(約9億9000万円)以上を投じる計画を示した文書が、中国当局に検閲されたとみられている。
谷とフィギュアスケート女子の朱易は米国で生まれ育ったものの、その忠誠を中国に変えて2022年の北京冬季五輪に出場した。谷が金メダル2個と銀メダル1個を獲得して国民的英雄となった一方で、朱はミスを連発してオンライン上で批判された。
監視団体や地元メディアによると、北京市人民政府が前週発表した文書では、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪に向けたトレーニング費としてこの2選手に総額4814万元(約9億9000万円)の予算が指定されていたという。
26日の時点でこの文書は北京人民政府のウェブサイトに掲載されていたものの、2選手に関する言及は削除されていた。
米国に拠点を置く独立系メディアのチャイナ・デジタル・タイムズ(CDT)が公開した政府文書のスクリーンショットには、「才能ある選手の競技トレーニングのための保証支出」として、664万ドル(約9億9300万円)が指定されていたほか、「谷と朱は各自の競技で引き続き北京を代表していく」と記されていた。
中国は近年、主にサッカーやアイスホッケーなどの代表チームを強化するべく、外国生まれの選手に中国籍を取得させている。これは他の国では一般的であるものの、中国では移民の流入が少ない上に二重国籍が禁止されているため、外国選手の起用は珍しい。(c)AFP