【2月27日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は26日、昨年のサッカー、アフリカ・コンフェデレーションズカップで、RSベルカンヌ(モロッコ)が着用したユニホームに描かれた同国の地図を巡る争いで、アルジェリアサッカー連盟(FAF)の主張を支持する判断を下した。

アルジェリアのクラブ、USMアルジェとFAFは、ベルカンヌのユニホームに紛争地域である西サハラが含まれたモロッコの地図が描かれていたことに異議を唱え、大会準決勝の2試合が中止となった。

アフリカサッカー連盟(CAF)は当時、FAFの訴えに対して、大会開始から同じユニホームを着用していたと述べてベルカンヌに有利な判定を下し、両試合を3-0でベルカンヌの不戦勝扱いとしていた。

FAFの訴えを受けてCASはこの日、問題のユニホームが「政治的性質を持つ領土の地図を表示しており、CAFの規定に反して」いると判断。「シャツを含むすべての装備において、政治的性質の内容を伝えることは禁止されている」とし、ユニホームの「承認を維持する」というCAFの当初の決定は無効としたものの、この判断は大会の結果には影響しないと述べた。

かつてスペインの植民地だった西サハラは、大部分をモロッコが実効支配しているが、アルジェリアが支援する武装組織「ポリサリオ戦線」は地域の独立を目指して領有権を主張している。アルジェリアとモロッコは2021年に国交を断絶したが、この問題も原因の一つだった。

ベルカンヌは決勝でエジプトのクラブに敗れ、準優勝に終わった。(c)AFP