7日午前にソウル拘置所にユン大統領と接見した後、記者団の質問に答える国民の力議員=写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1
7日午前にソウル拘置所にユン大統領と接見した後、記者団の質問に答える国民の力議員=写真は記事の内容とは関係ありません(c)news1

【02月25日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が与党「国民の力」の最側近に対し、次期大統領候補に関する意向を示唆したとの話が政界内外で取り沙汰されている。この件について、24日夜に放送されたCBSラジオ「パク・ジェホンのハンパン勝負」に出演した一部のパネリストは、具体的な状況にまで言及した。

「国民の力」の親ユン派議員グループ「アンダー73」のメンバーであるリュ・ジェファ世宗市甲地区党委員長は「仮に弾劾訴追が成立した場合、ユン大統領は何らかの形で意思表示をするだろう。具体的な名前を挙げなくとも、保守陣営に結集した強いエネルギーを維持できるような後継者を示唆すると考える」との見方を示した。

また、リュ委員長は「最近、キム・ムンス(金文洙)雇用労働相が国会で開いた討論会には最も多くの国会議員が集まった。これは党内の意向を反映している」として、キム・ムンス氏がユン大統領の後光を受ける可能性が高いと分析した。

これに対し、中央日報のカン・チャンホ論説委員は「ユン大統領の側近らが数回、ソウル拘置所に大統領を接見しに行った」と述べたうえで「その際、大統領は『国民の力は今、力もなく役割も果たせていない』と語り、『次期大統領選があるなら〇〇〇が大統領になるべきだ』や『国民が推戴する候補で進む』といった趣旨の発言をしたと聞いている」と明かした。

カン委員はさらに「これまでの流れを見れば、多くの人が大統領が何らかの形で次期大統領選に関与するのではないかと見ている」としつつも、「国民の力にとっては、勝利の可能性だけを考えるなら、大統領自身が関わるのは決して得策ではない」と指摘した。

その理由として「大統領が『国民推戴候補』と言ったものの、仮に党の予備選で大統領が支持するその人物が選ばれなければ、支持層にメッセージを送り、候補者構図を混乱させる可能性がある」と述べた。

これに対し、野党「共に民主党」のキム・ジホ京畿道党報道官は「そのような大統領の行動は、家族を守るという名目で個人的な犯罪疑惑を回避するためには効果的かもしれないが、国民の力にとってはほぼ災難に等しい」と批判。ユン大統領が具体的な候補を指名すれば、与党内に深刻な対立が生じ、選挙において重大な悪材料となるとの懸念を示した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News