【2月21日 AFP】中国・北京市のサッカーU-20男子代表メンバーとして臨んでいたスペインでの試合中に重傷を負い、「脳死」と診断された若手選手の家族が、事故に関する情報を北京サッカー協会(BFA)が隠ぺいしていると非難している。

BFAの声明によると、けがをしたのは18歳の郭嘉璇選手で、6日にスペイン・マドリード郊外アルコベンダスのチームとの練習試合中、不慮の事故で負傷して昏睡(こんすい)状態になった。

家族は試合の映像に加え、病院到着前の医療処置の詳細や郭選手の保険に関する情報を求めている。

負傷に至った具体的な状況についてBFAは詳細を明らかにしておらず、郭選手のきょうだいは19日にソーシャルメディアで、当局が情報の公開を「何度も先送りにした」と主張。BFAの関係者には数日間会っていないと不満をあらわにしており、この投稿は中国の国営新華社でも報じられた。

投稿ではまた、情報を繰り返し求めるテキストメッセージが無視されている様子のスクリーンショットも共有されており、「家族はただ真実を知りたいだけなのに、なぜこんなに難しいのか?」とつづられていた。

BFAは事故当時に声明で、「両チームの医療スタッフが現場で応急処置を行った」後、郭選手が地元の脳神経外科病院に搬送され、そこで「脳死」と診断されたと説明していた。

前週にはさらなる治療のために中国に移送されたが、きょうだいは郭選手の容体が「改善していない」とし、「自分たちは徐々に現実を受け入れつつある」と投稿した。

郭選手は中国スーパーリーグ(1部)のクラブ、北京国安のU-19チームでDFとしてプレーし、2023年にはU-17の中国代表チームにも選出された経験がある。

また以前には、ドイツ・ブンデスリーガ1部の強豪バイエルン・ミュンヘンが世界中の才能を発掘するために毎年実施しているプロジェクト「FCバイエルン・ワールド・スクワッド」にも参加していた。(c)AFP