【2月21日 CNS】中国経済は今、重要な岐路に立っている。2024年には国内総生産(GDP)が130兆元(約2694兆5230億円)を突破し、一人当たりのGDPも上昇した。2025年は「第14次5か年計画」の最終年であり、次の「第15次5か年計画」の策定が始まる年でもある。一方で、外部環境の変化による悪影響が深まり、新旧動力の転換が進む中、中国経済は逆風を受けながらも前進する必要がある。

 2025年の中国経済はどのように進むのか?長期的な安定成長を実現するための原動力は何か?これらの疑問に答えるため、経済学者で北京大学(Peking University)新構造経済学研究院院長の林毅夫(Lin Yifu)氏にインタビューを行った。

■2025年の中国経済は2024年を上回る見込み

 林毅夫氏は、2025年の中国経済は総じて2024年よりも良くなると予測している。2024年の経済発展には「前半好調、中盤減速、後半回復」という特徴があった。特に、昨年9月以降に発表された一連の政策が経済を回復させた。今年の最重要課題は、これらの政策を着実に実行することだと述べた。

 林氏は、「2025年は2024年の最終四半期に見られた『後半回復』の延長線上にあり、経済の復調が続くだろう。総じて、今年の経済状況は昨年よりも良くなると信じている」と話す。

 ただし、外部の課題や内部の構造調整、新旧動力の転換に伴うさまざまな困難が存在することも認めている。しかし、総合的に見ると、挑戦よりも機会が多く、「これらの機会を十分に活かせば、2025年は良好な経済成長を維持できるだろう」と語った。

■マクロ政策は短期的・段階的なもの

 最近のマクロ政策の調整について、長期的な政策転換を意味すると解釈する声もあるが、林毅夫氏はこれを否定している。マクロ政策、特に金融政策や財政政策は、経済周期の波を調整するための短期的・段階的なものであると指摘した。

 長期的な経済成長を支えるのは、新しい生産力が絶えず解放され、生産性の向上が続くことだと説明。新興産業や未来産業の機会を捉え、伝統産業においてはデジタル化、インテリジェント化、グリーン化を推進し、産業の高付加価値化、高効率化、高品質化を実現することが重要だと述べた。

「今後の発展は、効果的な市場と有能な政府の協力によって、企業家の積極性を引き出し、技術革新や産業の高度化で直面する障害を乗り越えることにかかっている」と強調した。

■中国は長期的な安定成長の潜在力を持っている

 林毅夫氏は、2024年のデータを基に、中国の一人当たりGDPは1万3445ドル(約201万9976円)に達したと述べた。これは世界銀行が定める高所得国の基準1万4005ドル(約210万4111円)にあとわずか4%の差である。2025年に5%以上の経済成長を達成すれば、この基準を超える可能性がある。

 ただし、この基準は市場為替レートに基づいており、為替レートは長期的には生産性の向上に比例するが、短期的にはドルの動向、特に米国の金融政策に影響を受けると指摘した。

「最近2年間でドル高が進行し、人民元は約7%下落した。もしこれがなければ、すでに高所得国の基準を超えていたはずだ」と述べた。

 また、購買力平価(PPP)を基準にしたGDPでは、2014年にすでに中国は米国を超えており、その差は年々広がっていると説明。

「中国経済は長期的に米国よりも高い成長を続け、生産性向上のスピードも米国を上回る。高所得国の仲間入りは間近であり、これは十分に自信を持ってよい」と語った。

■地方政府の課題は適切な対策で解決を

 中国は経済転換の過程で、段階的な二重軌道改革を進めてきたが、逆周期の財政政策の実施に際しては、地方政府が投資プラットフォームを通じてインフラ投資のために債務を負担してきた。

 特に、2008年の世界金融危機以降、世界経済が完全に回復せず、発展途上国の成長率が低迷しているため、中国は積極的な財政政策を継続してきた。これにより地方政府の隠れた債務が増加したのは事実だと述べた。

 林毅夫氏は、「問題を解決するには改革が必要だ。逆周期政策の資金は、主に中央政府の財政から賄うべきである」と指摘。また、中央政府が地方政府に代わって特別債を発行するなどの改革が進行中であり、地方政府の債務が軽減されれば、地方経済の成長により貢献できるとした。

「2025年、中国経済は回復基調を維持し、成長の潜在力を発揮するだろう。外部の挑戦に直面しつつも、内部の機会を活かしていけば、良好な経済成長が期待できる」と締めくくった。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News