最近注目の「極低温・高圧水素」技術…日本と韓国が開発協力を模索
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【02月18日 KOREA WAVE】韓国標準科学研究院(KRISS)は17日、中部・大田(テジョン)の同院で「韓日水素安全ワークショップ」を開催した。日本と韓国の水素の安全分野における技術力強化と標準化協力体制の構築が目的だ。
ワークショップには両国の専門家が集まり、最近注目を集めている「極低温・高圧水素」技術を中心に、水素エネルギーの安全な活用に向けた技術的課題や国際協力の方策について議論した。
日本側からは、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の緒形俊夫・特別研究員が「中空試験片を利用した水素脆性技術に関する国際標準化機構(ISO)の国際標準の現状」について、横浜国立大学の梅澤修教授が「極低温環境における材料の破損と変形評価技術」について発表した。
韓国側からは「過冷却液体水素充塡(じゅうてん)技術の国際標準化動向」(韓国原子力研究院のチェ・ヨンナム主任研究員)▽「フェライト鋼の水素脆性スクリーニング技術」(安東大学のシン・ヒョンソプ教授)▽「KRISSの高圧水素用金属および非金属材料の評価技術の現状」(KRISSのペク・ウンボン主任研究員とチョン・サング先任研究員)――の発表があった。
発表の後には、KRISSの水素安全研究設備や機器を直接見学するラボツアーが開催された。
◇核心技術として注目
水素を活用した経済活動の鍵となるのは、大容量の水素貯蔵および輸送技術だ。現在、液体水素の状態で貯蔵する方法がメインとなっているが、気化によるエネルギー損失が大きいという面がある。
一方、極低温・高圧水素技術による貯蔵法は、貯蔵密度と効率性に優れ、水素活用の活性化に向けた核心技術として注目されている。
ただし、極低温・高圧水素技術の商用化には、精密な測定基準の開発と関連手続きの国際的標準化が不可欠だ。極低温と高圧という厳しい条件を同時に扱うため、水素の貯蔵量や状態を正確に測定することが非常に難しいからだ。
KRISS水素エネルギーグループのグループ長、チョン・ナクグァン氏は「国内外の水素安全分野の専門家約80人が参加し、こうした技術的課題を解決し、共同研究開発を通じて国際標準化を主導するための第一歩となることを期待している」と述べた。
KRISS水素エネルギーグループは2009年に韓国で初めて「水素安全研究棟」を建設し、水素充填所の信頼性評価技術や水素燃料電池自動車用部品の安全使用適合性評価技術を開発するなど、安全な水素エネルギーの普及に向けた研究を続けてきた。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News