【2月18日 CGTN Japanese】中国の国家児童医学センター・北京児童病院合同診断センターで13日、専門型AI小児科医が正式に「勤務」を開始し、小児科の専門家13人と共同で難病が疑われる症例を対象とした多分野の専門家による合同診断を行いました。北京児童病院が明らかにしたところによると、中国初のAI小児科医として、難病や希少疾患の診断・治療を支援し、小児医療サービスに新たな変化をもたらすことが期待されています。

 今回の診断の対象となった8歳の男児は、3週間にわたってけいれんが続き、2週間前に頭蓋底に腫瘍が見つかりました。病気の原因は複雑で、多くの病院を転々としましたが、診断の結果はまちまちでした。合同診断では、AI小児科医が耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科、腫瘍外科など、異なる科の著名な専門家13人と一致度の高いアドバイスをしました。

 国家児童医学センター主任、北京児童病院の倪鑫院長は、「今回『勤務』を開始したAI小児科医は、北京児童病院が開発中の小児保健人工知能大規模モデルシリーズの製品の一つで、北京児童病院の300人以上の著名小児科医による臨床経験と専門家の数十年にわたる質の高いカルテデータを統合したものだ」と述べました。

 倪院長によりますと、この専門AI小児科医は、医師が最新の科学研究結果や権威あるガイドラインに迅速にアクセスできるよう、臨床研究アシスタントとして機能するとともに、難病や希少疾患に対する医師の診断と治療を支援し、臨床的意思決定の効率を高めることもできるということです。

 今回の合同診断は、「AI小児科医+多分野の専門家」による新たな多学科合同診断モデルの始まりを示しています。同プロジェクトの技術協力部門である百川智能の創業者兼CEOの王小川氏は、「AI小児科医の活用は良質な医療サービスの普及を大いに促進するだろう」との見方を示しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News