クック諸島、中国と「パートナーシップ」協定
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【2月16日 AFP】南太平洋のクック諸島は15日、中国との関係拡大に向け、「包括的戦略的パートナーシップ」協定に署名したと発表した。旧宗主国ニュージーランドとの関係に影響を与えることはないと強調している。
5日間の日程で中国を公式訪問したクック諸島のマーク・ブラウン首相は、北部ハルビンで李強首相と協定に署名したと明らかにした。
ブラウン氏は協定の内容について、「近日中に」オンラインで公開されると語った。
これに先立ちニュージーランドは、今回の訪問に関する透明性の欠如に懸念を示し、適切な協議が事前に行われなかったと不満を表明していた。
人口1万7000人のクック諸島は、「自由連合」の関係にあるニュージーランドから予算支援や外交・防衛支援を受けている。
ブラウン氏は訪中最終日の15日に出した声明で、協定により貿易や投資、海洋科学、インフラ、輸送などの分野での取り組みに関する枠組みが設定されたと説明した。
クック諸島の当局者は、訪問中に中国の研究機関と海底鉱物の研究についても議論したと述べた。同諸島はニッケルやコバルトなどの金属を豊富に含む団塊(ノジュール)の深海採掘を検討している。
中国は戦略的に重要な太平洋地域における外交・経済・軍事的影響力をめぐり、歴史的に同地域で影響力を持つ米国、ニュージーランド、オーストラリアに対抗している。
しかし、ブラウン氏は、ニュージーランドや他のパートナーとの関係は中国との協定締結の影響は受けないと主張。「中国との関係と取り決めは、ニュージーランドなど他の国との2国間、地域、多国間パートナーとの長年の関係を補完するものであり、取って代わるものではない」と語った。(c)AFP