【2月15日 AFP】米国立公園局は14日、LGBTQ(性的少数者)の権利運動の原点となった1969年の「ストーンウォールの反乱」の記念碑に関するウェブサイトから、トランスジェンダーとクィアに関する記述を削除した。これを受け、ニューヨーク市では同日、抗議デモが行われた。

この動きは、ドナルド・トランプ大統領が同国に性別は男性と女性の二つしかないとする大統領令を出し、トランスジェンダーの人々への攻撃を主導する中で起きた。

連邦政府機関の一つである国立公園局が管理するウェブサイトは、ストーンウォールの反乱の現場となったゲイバー「ストーンウォール・イン」やビジターセンターに関する情報を提供していた。

ニューヨークのグリニッチビレッジにあったこのゲイバーは1969年6月28日、警察の強制捜査を受けた。これをきっかけに6日間に及ぶ暴動に発展し、現代の同性愛者の権利運動の発端となった。この運動は後にトランスジェンダーやノンバイナリーの人々にも拡大した。

だが、同サイトで14日、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィアの頭文字を取った「LGBTQ」が「LGB」に変更され、トランスジェンダーとクィアに関する言及もすべて削除された。

この動きに対し、ニューヨーク市内で抗議デモが開催され、数百人が参加。「沈黙=死」「Tなくしてストーンウォールなし」などと書かれたプラカードを掲げた。

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事はソーシャルメディアで、「残酷かつ狭量だ」と批判。

「トランスジェンダーの人々はLGBTQ+の権利運動で重要な役割を果たしている。こうした人々の貢献を抹消することはニューヨークが許さない」と続けた。

トランプ氏は、性自認の多様性を悪の根源として扱う発言を繰り返し、同様の内容の大統領令にも署名。スポーツ界のトランスジェンダー女性を中心に、トランスジェンダーの人々や未成年の性別適合治療を攻撃している。(c)AFP