米旅客機事故で犠牲になった仲間を哀悼 冬季アジア大会・フィギュア
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【2月14日 AFP】中国・ハルビンで行われている冬季アジア大会のフィギュアスケート女子に出場したテークレー・シルパアルチャ選手(タイ)が13日、米首都ワシントン近郊で小型旅客機と陸軍ヘリコプターが衝突した事故で犠牲になった仲間を哀悼した。
67人が亡くなった事故では、ペアの元世界王者でロシア出身のエフゲニア・シシコワ氏とワジム・ナウモフ氏の2人も命を落とすなど、犠牲者の半数近くがフィギュア関係者だった。
両氏がコーチを務めていたボストン・スケーティングクラブでは、ジナ・ハン選手(13)とスペンサー・レーン選手(16)も事故で亡くなった。
22歳のシルパアルチャ選手は同クラブで2人と練習を共にした。コーチも同じだったハン選手は妹のような存在で、スペンサー選手は「みんなの元気印」だったという。
演技後に得点を待つ「キスアンドクライ」で、両選手とシシコワ氏、ナウモフ氏夫妻の写真を掲げたシルパアルチャ選手はAFPの取材に対し、「あの旅客機に乗っていた人たちは、私がここに来ることを知っていた」「一緒に国際舞台に連れて行き、彼らのために滑りたかった」と話した。
絆が固いボストンのスケートコミュニティーは今も悲しみに包まれている。
「(事故後は)スケートが同じように感じられなくなった」「毎日、ジナとスペンサーの椅子の前を通ってロッカールームに行かなければならない。全てが彼らを思い起こさせる」とシルパアルチャ選手。
今大会で遺影を掲げることによって、「このスポーツに全力を注いだ本当に素晴らしい、美しい人たちとして、(人々に)彼らを覚えていてほしい」と願う。
メダルを獲得することはできなかったが、大会に出ることにはそれ以上の意味があった。シルパアルチャ選手は「彼らはいつも私の幸せを願っていた。だから私も幸せになれるようにしたい」と語った。(c)AFP/Mary YANG