【2月8日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー首相が7日、ドナルド・トランプ米大統領が本気でカナダを併合し、その天然資源を利用しようとしていると非公開会合で述べたことが明らかになった。カナダ政府は同国の主権は譲れないと明言している。

トランプ氏が発表したカナダからのすべての輸入品への25%の関税の発動が迫る中、カナダ経済をまひさせかねないこの脅威への対応を調整するため、トルドー氏は財界や労組のリーダーらを招集して会合を開いた。

複数のカナダメディアによると、トルドー氏はこの非公開会合で出席者に対し、トランプ氏は「カナダ併合」を「本気」で主張していると主張。

「トランプ政権は、重要な鉱物資源がカナダにどれだけ埋蔵されているか把握している。そのためにカナダを51番目の州として併合すると言い続けているのではないかと思う」と続けた。

メディアが退室した後のこの発言は、会場外のスピーカーから流れ、日刊紙トロント・スターや公営放送CBCの記者らも耳にした。

トルドー氏はさらに、「トランプ政権はカナダの資源や所有物を熟知し、そこから利益を得たいと切望している」「だが、トランプ氏はそれを実現する最も簡単な方法の一つは、カナダの併合だと考えている。本気だ」と続けた。

イノベーション・科学・産業相のフランソワ・フィリップ氏は会合の傍ら、トルドー氏の発言に関して、さらにカナダ政府はトランプ氏のカナダ併合の脅しが本気だと懸念しているかと問い掛けたAFPに対し、「カナダの主権を疑う者はいない」と回答。

「米国の友人たちは、同国の経済安全保障、エネルギー安全保障、国家安全保障にはカナダが必要だと理解している」と続けた。

アニータ・アナンド運輸相もトルドー氏の発言について記者団に問われると、カナダは米国のいかなる拡張主義にも抵抗する決意だと回答。

米国との国境に言及し、「北緯49度線が手を加えられることはない」と明言した。(c)AFP