人道支援本部閉鎖、米民主党がマスク氏を非難
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■「権力の乱用」
米国の対外援助機関として、最貧国を含む世界約120か国で保健衛生や緊急プログラムに資金を提供しているUSAIDは、中国を含むライバル国との対外影響力争いにおいて、米国のソフトパワーを体現する重要な主体と見なされている。
一方、マスク氏は中国に広範なビジネス上の利益を有している。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、マスク氏は「われわれの承認なしに何もできないし、何もしない」としながら、同氏と見解を共有すると明言。USAIDの閉鎖には議会の承認が必要だと思うかと尋ねられると、「そうは思わない。不正に関してはそうは思わない。やつらは狂っている」と答え、具体的な説明や詳細を一切示さないまま、2日連続でUSAIDを「不正」呼ばわりした。
クリス・バン・ホーレン民主党上院議員(メリーランド州選出)は、マスク氏の計画について「腐敗した権力の乱用」「われわれの敵への贈り物」であり、「明らかに違法」だと糾弾。「イーロン・マスクは(電気自動車大手)テスラの独裁者にはなれても、ワシントンで独裁者になろうとするのは無理だ。USAIDを閉鎖する権利はない」と語った。
予算権限は議会にあるが、マスク氏は自らが率いるDOGEが資金の使途を決定できると主張している。
USAIDの閉鎖を歓迎する一人が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友であるドミトリー・メドベージェフ元大統領だ。メドベージェフ氏はX(旧ツイッター)でマスク氏に触れ、「@elonmuskによる賢明な動きだ。USAIDによる『ディープスロート(対外情報収集・提供)』を封じようとしている」と投稿した。(c)AFP/Frankie TAGGART