【2月4日 AFP】ドナルド・トランプ米政権で政府効率化省(DOGE)を率いる実業家イーロン・マスク氏の采配の下、対外人道支援を管轄する国際開発庁(USAID)の本部が3日、閉鎖された。民主党は「明らかに違法」だなどと強く非難している。

USAIDのウェブサイトは先週末に停止し、職員はワシントンの庁舎への立ち入りが禁止された。

マルコ・ルビオ国務長官は同日の声明で、USAIDを自身の管理下に置くと発表。USAIDは「米国の利益を海外で責任を持って推進するという本来の使命から長らく逸脱している」とし、組織再編の可能性を含め、活動の見直しに着手すると述べた。

だが、ABCニュースによると、約600人の職員がコンピューターシステムにアクセスできなくなるなど、広範な混乱が生じている。

一部の民主党議員は「USAIDを救え、命を救え」と書かれた横断幕を持った約50人のデモ隊と共にUSAID本部ロビーへ立ち入ろうとしたが、警察に阻止された。

議員らは、選挙で選ばれていない大富豪のマスク氏にトランプ氏が政策の権限を委ねたことのほか、マスク氏には政府の主要な契約業者として明白な利益相反があることなどについて、非難の声を上げている。

ジェリー・コノリー民主党議員(バージニア州選出)は、マスク氏は議会によって設立された組織を閉鎖する法的権利を持たないと強く批判。「これは法律の問題であり、議会が対処すべき問題だ。選挙で選ばれていない億万長者のイーロン・マスクが扱う問題ではない」「USAIDを運営したいなら、トランプの指名を受けて上院に行け。承認を受けるのは難しいと思うが」と述べた。