【2⽉9⽇ Peopleʼs Daily】「タクラマカン砂漠(Taklamakan Desert)を囲む防衛ラインが接合」――。これは中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)林業草原局(自治区林草局)の2024年11月28日の発表だ。タクラマカン砂漠は天山(Tianshan)と崑崙山脈の間にある。東西の長さは約1000キロ、南北は約400キロで、面積33万7600平方キロの中国最大の砂漠であり、世界第2位の大きさの流動砂漠だ。

 タクラマカン砂漠の周囲は3046キロだ。過去40年余りにわたる防護林植樹により、タクラマカン砂漠周辺には2023年末までに2761キロの「緑の砂防ベルト」が作られた。そして11月28日、残っていた「砂防ベルトの空白エリア」での植樹が完了したことが発表された。

 自治区南部のホータン地区(Hotan Prefecture)は三面が砂漠に囲まれており、かつては風砂の危害が最も深刻だった。自治区林草局生態保護修復課の王振錫(Wang Zhenxi)課長によると、タクラマカン砂漠を吹く砂漠の風は風力8以上に達し、流動砂丘の面積は約25万8400平方キロだ。また年平均降水量はわずか80ミリ未満だ。そしてタクラマカン砂漠の辺縁であるホータン地区のニヤ県(Niya)では、砂防工事が進められていた。使われているのは草で作られた巨大な格子状のネットで、砂丘を抑え込んでいる。そして格子の一つ一つに、乾燥に強い植物のギョリュウが植えられている。

 長年にわたる防護林の植樹により、1978年には1.03%だった新疆の森林被覆率は5.06%になった。30年前には6万5000平方キロだった人工オアシス面積は10万平方キロになった。荒漠化(乾燥して劣化)した土地は1956平方キロ減少し、砂漠化した土地は242.82平方キロ減少した。

 しかし、残りの土地は状態が深刻だ。自治区政府は、総額123億5500万元(約2660億円)を投じて2030年までに3265万8000ムー(約2万1800平方キロ)を改良する計画を発表した。王課長は砂漠の辺縁部分の造林や草地の造成、工事による砂の固定などにより砂漠の拡大を防ぐと説明した。また、風砂の発生源地では集中的な対策を実施して風砂の害を軽減し、オアシス内部の樹木が不足している場所や防砂の空白地帯では徹底的な対策を実施して生態環境全体の改善を推進するという。

 自治区政府はまた、砂地を利用した産業の発展と砂漠生態管理の相互補完を推進している。ホータン地区では、ケリヤ県(Keriya)に生薬として使うニクジュヨウや主に観賞用であるアデニウムの産業パークを建設して、農民の増収を実現した。チラ県(Qira)ではナツメ栽培に注力している。ナツメ林は、村落を砂漠から守る障壁の役目も果たしている。新疆では、地域の特色がある経済作物の栽培面積は184万5000ムー(約1230平方キロ)に達し、砂漠関連産業の年間売上高は43億7000万元(約941億円)に達した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News