【1月29日 AFP】日本の漫画やアニメのファンが、海外で制作された実写版について原作を逸脱していると批判することは少なくない。

だが、ジェームズ・クラベルの1975年の小説を下敷きにしたドラマ「SHOGUN 将軍」では、大半のせりふで日本語が用いられているど、本格的な時代劇として称賛され、昨年9月にエミー賞の18部門を獲得。今年1月にはゴールデングローブ賞のテレビ部門で4冠の快挙を遂げた。

近年、日本の作品は世界中で快進撃を続けている。

同名の漫画を原作とするフランス・米国・日本の共同制作ドラマ「神の雫/Drops of God」は昨年11月、国際エミー賞で最優秀ドラマシリーズ賞を受賞。

漫画を実写化したネットフリックスの2023年の「One Piece(ワンピース)」は、メキシコ人俳優イイニャキ・ゴドイが主演を務め、視聴者と批評家からも高い評価を受けた。シーズン2の制作も予定されている。

さらに、「僕のヒーローアカデミア」や「NARUTO -ナルト-」など、人気漫画やアニメのヒット作の実写化も予定されている。

「東京国際映画祭(TIFF)」と併催される、アジアを代表するマルチコンテンツマーケット「TIFFCOM」の池田香織事務局長は、欧米市場からの需要は明らかに増加していると指摘。

しかし、日本企業には権利交渉などの「ノウハウ」が欠けていると言う。

そのため、TIFFCOMは各国のプロデューサーと日本の出版社とのネットワークづくりやミーティングを促進する場として「Tokyo Story Market」を開催している。

2017年の実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、主要な登場人物をスカーレット・ヨハンソンら、ほぼ白人が演じたことで「ホワイトウオッシング」と批判を浴び、また同年の『Death Note/デスノート』は原作を逸脱しているとして酷評された。

「神の雫」のプロデューサー、クラウス・ツィママン氏は「漫画の原作者は非常に尊敬されており、ファンコミュニティーは(実写化に対して)非常に警戒している」と話す。

「神の雫」の実写化では、主要な登場人物の一人にフランス人俳優を起用しているが、これは原作者との協力を得て実現したものだとツィママン氏は主張。

「漫画の精神をゆがめないようにすることが重要だった」と語った。