春節初日、旅行需要が急増 大晦日夜の観光予約は100%増
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【1月29日 東方新報】除夕(大晦日)の28日、中国の春節(旧正月、Lunar New Year)連休が始まり、多くの地域の文化・観光部門やオンライン旅行プラットフォームが発表したデータによると、旅行需要が急増している。
湖南省(Hunan)文化観光庁の発表によると、携帯電話のシグナルデータを活用した大規模データ分析の結果、春節初日の全省の観光客数は2337万2000人に達し、前年比34.7%増加した。そのうち、省外からの観光客は639万9900人で、全体の27.4%を占めた。また、ユニオンペイ(UnionPay、中国銀聯)の商業データ分析によると、湖南省の観光客一人当たりの平均支出は737元(約1万5814円)で、前年比31.2%増加した。
四川省(Sichuan)文化観光庁のデータによると、1月28日15時までに同省内の833のA級観光地が延べ423万6500人を受け入れ、入場料収入は2625万4900元(約5億6336万円)に達した。
今年の春節は、中国の無形文化遺産登録後初めて迎える春節であり、また法定祝日が8日間となった最初の春節でもある。中国交通運輸部によると、今年の春運(春節大移動)の旅行総量と1日当たりのピーク人数は、過去最高を記録する可能性がある。40日間の春運期間中、国内の長距離移動者数は延べ90億人に達すると予測されている。
同程旅行のデータによると、除夕には、春節の人気旅行先である黒龍江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)、海南省(Hainan)三亜市(Sanya)、福建省(Fujian)アモイ市、雲南省(Yunnan)大理市(Dali)、昆明市(Kunming)への鉄道・航空便の到着客数が前週比約20%増加した。一方で、帰省先として人気の目的地への到着客数は減少しており、春節休暇の主流の移動が帰省から観光へとシフトしていることが分かる。また、「反向団円(親が都会の子どもを訪ねる形の帰省)」需要が高まり、北京市、上海市、深セン市(Shengzhen)、成都市(Chengdu)、重慶市(Chongqing)では除夕当日のホテル宿泊客が大幅に増加した。
また、除夕当日の主要都市におけるタクシーや配車サービスの利用も急増し、山東省(Shandong)済南市(Jinan)、湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)、河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)、陝西省(Shaanxi)西安市(Xi’an)、河南省(Henan)洛陽市(Luoyang)市などでは前年比60%以上の伸びを記録した。
特筆すべき点として、2025年の春節連休初日が除夕と重なったことで、除夕の観光需要が大きく伸びた。家族団らんの夕食を終えた後に観光地を訪れることが、新たな「年越し」の過ごし方として定着しつつある。同程旅行のデータによると、除夕夜の観光スポットの予約数は前年同期比100%以上増加した。
テーマパークもまた盛況で、上海ディズニーランド(Shanghai Disney Land)やユニバーサル・スタジオ・北京(Universal Studios Beijing、USB)、香港ディズニーランド(Hongkong Disneyland)などの予約が集中。各施設では春節限定のイベントや干支グッズが登場し、訪問者に特別な体験を提供している。
オンライン旅行プラットフォームのデータによると、2025年の春節休暇では海外旅行の需要が急増している。
同程旅行のデータでは、春節期間中の海外ツアー(パッケージツアー)の予約数が前年比100%以上増加しており、特に日本、韓国が人気を集めた。その他、セルビア、ハンガリー、フランスなどのヨーロッパ諸国の需要も急上昇している。国際ホテル予約では、日本、スペイン、イタリアのホテルの予約件数が前年比300%以上増加し、シンガポール、韓国、マレーシアの主要都市でも大幅な増加が見られた。
一方で、中国を訪れる外国人旅行者も増加している。携程(Trip.com)のデータによると、春節初日の訪中旅行の予約件数は前年比30%以上増加し、チケットやレンタカーの予約は70%以上増加した。
去哪児(Qunar)のデータでは、2025年の春節は「無形文化遺産版の春節」となり、旅行を通じて世界に春節文化を発信する機会となったとしている。研究員の肖鵬(Xiao Peng)氏は「多くの都市が春節の伝統的な儀式を復活させ、若者が新しいスタイルで春節を楽しむことで、この祝祭がさらに活気を帯びている」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News