【1月22日 AFP】2024年にブラジルで発生した山火事による焼損面積は前年比79%増となる約30万8000平方キロに及び、イタリアの総面積を上回ったとする調査結果が22日、公表された。

熱帯雨林アマゾンの破壊を追跡する共同プラットフォーム「マップバイオマス」による調査結果によると、焼損面積全体のうち、アマゾンの火災は58%を占めている。

昨年の焼損面積は、2019年以降で最大となった。データによると、約8万5000平方キロの森林が燃え、アマゾンでは初めて草原部分の焼損面積を上回った。

マップバイオマスのアネ・アレンカル氏は「森林がいったん焼失すると、以降の山火事が発生しやすくなる」と指摘した。

気候変動の影響で樹木などの乾燥化が進み、火災のリスクが高まっている。しかしブラジルでの主な出火原因は、牧草地や農地の開拓のために行われる野焼きとされ、これは犯罪と見なされているが、政府は取り締まりに苦慮している。

ブラジルのアマゾンでは何か月も干ばつが続き、今月発表された政府のデータによると、昨年は過去17年間で最多となる火災が発生した。

ブラジル国立宇宙研究所(INPE)によると、衛星画像では昨年14万328件の火災が確認された。

科学者は、森林破壊が続けば、アマゾンによる二酸化炭素(CO2)の排出量が吸収量を上回り、気候変動が加速すると警鐘を鳴らしている。(c)AFP