春節期間の航空券値下げ:北京〜三亜往復が1000元以上値下げ
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【1月22日 東方新報】中国の春節(旧正月、Lunar New Year、今年は1月29日から)休みに向けた民族大移動「春運」の鉄道チケット販売が開始され、北京市〜広東省(Guangdong)珠海市(Zhuhai)や海南省(Hainan)三亜市(Sanya)などの人気路線で大幅値下げが確認され、旅行のコストパフォーマンスが向上した。専門家によれば、価格変動の主因は市場の供給と需要の関係であり、一部の路線では航空便の増加や高速鉄道の運行が価格下落を促している。
■多くの人気路線で航空券が値下がり
「春節が近づいて航空券が取りづらいと思っていたのに、値段が下がるなんて思わなかった」。北京に住む旅行者の柳熙(Liu Xi)さんは1月28日に家族と珠海へ旅行する計画を立てており、春運期間中の航空券はすぐ売り切れると思って早めに予約をしていた。2024年12月29日、柳熙さんは家族3人分の1月28日北京発珠海行きの中国南方航空(China Southern Airlines)のエコノミークラス航空券を合計6280元(約13万3842円)で予約した。
しかし、1月中旬に同じ便を再確認したところ、1人あたり約800元(約1万7050円)の値下がりを発見し、キャンセル料がかからないことから再予約を決断。最終的に、1人あたり約633元(約1万3490円)を節約することができた。
春節期間中、北京発珠海以外の人気路線でも価格の下落が見られる。たとえば、北京〜三亜往復便では、1月13日時点で7200元(約15万3450円)だった航空券が、1月19日には4660元(約9万9316円)まで下がり、2540元(約5万4133円)の値下げが確認された。同様に、北京市〜四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)間でも数百元(100元は約2131円)の値下がりが報告されている。
調査によると、春節休暇の直前数日間は航空券の価格が高めだが、大晦日以降は徐々に下落傾向を示す。また、運航便の増加や春運用高速鉄道(高鉄)のチケット販売も、航空券価格の下落要因となっている。一部の路線では需要が分散し、供給過多により価格が下がった。
■運航増加と高鉄の影響
航空券価格の変動は、運航便の増加や市場の需要と供給の変化、高鉄の影響が主な要因とされる。航空会社各社が春節期間に向けて運航便数を大幅に増やしたことで、一部の路線で供給が需要を上回り、価格が下落している。南方航空は北京を拠点に1.4万便以上を運航予定で、大型機の投入も進めている。特に広州市、三亜市、深セン市(Shenzhen)、成都市などの主要路線に集中しており、国際航空も同様に人気路線や観光需要の高いルートで運航力を強化している。
一方、高鉄のチケット販売も航空需要を分散させる要因となっている。春運期間中、北京鉄道局では3937万人の旅客輸送を見込んでおり、前年比で約74万人の増加となる。人気路線では販売開始直後に多くのチケットが売り切れとなっており、短中距離移動においては鉄道の利便性が航空便を上回るケースも見られる。
■春節前は掘り出し物のチャンス
航空券の値下がりは旅行者にとってメリットが大きく、旅行意欲をさらに掻き立てている。今年の春節では、北方のスキー旅行や南方の避寒旅行、さらに無形文化遺産をテーマにした小規模都市の観光が人気を集めている。特に福建省(Fujian)泉州市(Quanzhou)、広東省潮州市(Chaozhou)、汕頭市(Shantou)、 四川省自貢市(Zigong)、山西省(Shanxi)大同市(Datong)などの都市は旅行者からの注目度が急上昇している。
携程(Trip.com)のデータによると、春節期間中、国内旅行先の3割以上で航空券価格が前年を下回っているという。四川省アバ・チベット族チャン族自治州(Ngawa Tibetan and Qiang Autonomous Prefecture)やチベット自治区(Tibet Autonomous Region)シガツェ市(Shigatse)などの目的地では最大で48%の値下がりが確認されており、北京市から遼寧省(Liaoning)大連市(Dalian)、上海市、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)オルドス市(Ordos)などへの航空券も手頃な価格で購入できるケースが多い。特に大みそか以降は「掘り出し物」の航空券が多く、旅行者にとって高いコストパフォーマンスが期待されている。(c)東方新報/AFPBB News