米トランプ新政権は「希望」か「恐怖」か キーウとモスクワ街頭の声
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【1月21日 AFP】米国でドナルド・トランプ大統領が就任した20日、ウクライナとロシアの首都でAFPのインタビューに応じた人々の思いは、トランプ氏に対する不信感とウクライナ紛争終結への希望で割れていた。
ロシアによる2022年2月のウクライナ侵攻開始以来、米国はウクライナに大規模な軍事的・経済的支援を提供してきた。
しかし、トランプ氏は大統領選中からこの支援を批判し、紛争を迅速に解決すると約束した。そのため欧州やウクライナでは、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指すウクライナが大きな譲歩を強いられるのではないかとの懸念が広がった。
だが、ウクライナの首都キーウで隠居生活を送るミハイロ・ピシュトイさん(78)は、実業家としてのトランプ氏の経歴や「負けず嫌い」な性格から、ロシアのウラジーミル・プーチンに大統領に「最後通告」を突きつけるのに最適な人物かもしれないと期待する。
ロシアはウクライナ東部の親ロシア派分離主義者を支援し、2014年に黒海に面するクリミア半島を併合した。ピシュトイさんがトランプ氏に願うのは、開始から10年に及んでいるこの地域でのロシアの支配と衝突の終結だ。「私は2014年からキーウにいる国内避難民だ。私たちは10年も待っている」
同じくキーウに住む起業家のユリアさん(35)も、トランプ氏がウクライナ紛争を終わらせてくれることを期待している。来月3年目に突入する紛争は、多くの命を奪い、ウクライナに「無益」だからだ。
「私たちは多くの人を失った。武器も他のものもすべてが不足している。これを終わらせなければ、私たちは存在できないでしょう」
一方、ロシアの首都モスクワで話を聞いた音楽教師のイリーナ・カリトノワさんも、紛争終結を望んでいた。トランプ氏の大統領就任が、ロシアにとって「プラス」になればいいと話す。
「私たちはこの困難な状況に疲れ果てている。多くの人が家族を失い、たくさんの悲劇が起き、それが自分に降りかかってきて、もう、どうすればいいのか分からない」