価値観もつづりも国も違う カナダ国民、トランプ氏の併合計画を拒絶
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■「アメリカ帝国主義」
カナダのジャン・クレティエン元首相は公開書簡で、トランプ氏が「これまでになくカナダ人を団結させた!」と指摘し、トランプ氏の発言を侮辱であり、「わが国の主権そのものに対する前例のない脅威」と呼んだ。
クレティエン氏は「われわれは想像し得る限り最も険しく困難な地形の上に建国した。われわれは困難を乗り越えてそれを成し遂げた。われわれはおおらかで温厚に見えるかもしれないが、誤解しないでもらいたい。われわれには気骨と強さがある」と述べた。
モントリオールにあるマギル大学の米国系カナダ人のマーク・ブロウリー教授(国際関係学)はAFPの取材で、両国民の間には「明らかな違いがある」と指摘。
「われわれの価値観は異なる。それが相いれないため、一つの国になることはできない」と続けた。
さらに、1994年以降の自由貿易は両国の距離を縮めたと言えなくもないが、トランプ氏の挑発は反発を招き、「カナダのナショナリズムを強める」との見解を示した。
トランプ氏のカナダ併合計画に対して断固たる態度を取るよう政権に求めるカナダ国民の声が高まっている。
カナダ西部アルバータ州出身で歴史学を専攻するマイケル・コノリー氏は、自分のようにトランプ次期米大統領を支持しない人間は、同氏の発言に憤慨していると述べた。
コノリー氏は「私たちは尊敬に値する独自のアイデンティティーと文化を持つ主権国家だ」として、カナダ政府に対し、「アメリカ帝国主義に抵抗」するよう求めた。
1980年と95年の2度にわたってカナダからの分離独立を問う住民投票が実施されたが否決された東部ケベック州では、目的実現のためにカナダに対して「経済的圧力」を行使するというトランプ氏の脅しが、マリジョゼ・ルーシーさんの家族や友人の間で深刻な話題となっている。
ルーシーさんは「なんてこと。嫌だ。51番目の州にはなりたくない。隣国同士でいい。助け合い、協力し合っているが、米国人にはなりたくない」と述べ、全員が同じ意見だと補足した。
さらに、国境を越えるとすぐに「違いに気付く」として、米国では銃犯罪が横行し、貧富の格差が大きく、人種差別が社会制度の中に構造化されていると指摘。
併合の話は「全くのナンセンスだが、私たちはおびえ始めている」と続けた。(c)AFP/Michel COMTE