■「地獄に落ちればいい」

アンヌさんが公然と撮影され、家族写真まで公開されたこのインタビューは、放映翌日の13日に拡散され、嘲笑的なコメントやジョークが殺到した。一方で、被害を公表することによる影響を把握していなかった可能性もある弱い立場の個人を守らなかったとして、TH1を非難する声もあった。

アンヌさんの話をネタに、フランスのサッカーチーム、トゥールーズFCは「ブラッドは(次の試合のために)15日にスタジアムに来ると言っていた」とXに投稿。後にメッセージを撤回して謝罪した。

ネットフリックス・フランスもソーシャルメディアで、「ブラッド・ピットと(本当に)無料で会える4本の映画」と宣伝した。

ロマンス詐欺は、電子メールの登場以降、インターネットで横行しているが、専門家はAIの台頭によって成り済ましやオンライン詐欺のリスクが高まっていると警告している。

アンヌさんはTF1に対し、家族とフランスでスキー旅行をしていた時にインスタグラムを使い始め、その後間もなく、ピットさんの母親に成り済ました人物から初めて連絡があり、「息子にはあなたのような人が必要だと言われた」と説明した。

その数日後、今度はピットさんを装った詐欺師らからメッセージが送られてきたという。

アンヌさんはTF1に対し、「最初は偽者だ、こんなことあり得ないと自分に言い聞かせた」「でも、ソーシャルメディアに慣れておらず、自分に何が起きているのかよく分かっていなかった」と語った。

「こんなにひどいことをするために、なぜ私を選んだのかと自問自答している」「私は誰にも危害を加えたことはない。だました人間たちは地獄に落ちればいい」と訴えていた。(c)AFP