【1月15日 CNS】上海市で8日、観光客向けのサービス「Shanghai Pass」による二次元「吃谷」専用バスが発表された。上海に根付く二次元文化と商業の活気を背景に企画されたもので、特別にデザインされたバスが使用されている。このバスは単なる移動手段ではなく、上海市虹口区(Hongkou)の主要な商業エリアやランドマークをつなぐ役割を果たしている。

 バスの車体には、二次元文化をテーマにしたデザインが施され、鮮やかなラッピングが施されている。これにより、交通手段としてだけでなく、移動そのものが特別な体験となるよう工夫されている。このプロジェクトは「交通」「文化コンテンツ」「商業」を一体化した取り組みであり、移動中に虹口区の魅力を発見し、商業エリアでの体験が楽しめるよう設計されている。

 なお、「吃谷(Chigu)」とは、「グッズを買う」という意味を持つ言葉で、中国語の「谷子(Guzi)」の発音が日本語の「グッズ」に似ていることから生まれた表現である。このように、二次元文化と関連するグッズの購入や収集を楽しむ行為を指す言葉として、若者を中心に親しまれている。

 さらに、このバスは「チケット経済(票根経済)」とも呼ばれる独自の仕組みを形成している。利用者が手にするチケットは、ただの乗車券ではなく、商業施設や観光地で利用できる特典として機能し、地域の観光や文化産業の発展を後押ししている。

 このように、二次元文化と商業を掛け合わせたこのプロジェクトは、上海の新たな観光資源として注目を集めており、地域の文旅(文化観光)発展に新たな活力を与えている。(c)CNS/JCM/AFPBB