【1月14日 CGTN Japanese】中国中部の湖北省文物考古研究院が10日に明らかにしたところによると、湖北省襄陽市東津鎮の前崗墓地で中国の春秋時代(紀元前770年~紀元前476年)の楚の国の墓地が新たに発見されました。同省で近年発見された楚の墓地としては最大規模で、保存状態も良く、最も年代の早いものとされています。

 墓地からは完全な形で保存されていたさまざまな青銅製の礼器(古代中国の貴族が宴会や祭祀に使った食器や酒器など)が出土し、春秋時代の楚の青銅器の年代順を充実させるということです。

 同研究院は中国国家文物局の承認を得て、昨年1~5月に襄陽市文物考古研究所と共同で前崗墓地の緊急発掘調査を行いました。今回の発掘では土坑墓(どこうぼ:地面に穴を掘って遺体を埋葬した墓地)41基、塼室墓(せんしつぼ:死者を埋葬する際、塼を用いて墓室を構築したもの)2基の調査が行われ、銅器、陶器、磁器、玉器など200点余りが出土しました。

 発掘調査の責任者である周青氏によると、今回の調査では春秋末期の墓地M3の発見が特に重要で、その平面は「亜」の字の形をしており、銅器を主とする副葬品の多くは四周のスペースに置かれ、計70点余りの青銅器が出土しました。被葬者の身分は「大夫級」の中級貴族で、武官だった可能性が大きいとみられています。

 周青氏はまた「墓地M3での発見により春秋時代の楚に関連する青銅器の年代順が充実し、東周時代(紀元前770年~紀元前256年、春秋時代の始まりとされる時代)の楚の国の礼制の形成、発展と変化をより深く認識するための貴重な資料となる」と紹介しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News